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 南米大陸最高峰のアコンカグア(標高6961メートル)の登頂とスキー滑降に向けてアルゼンチン入りしているプロスキーヤー三浦雄一郎さん(86)に、朝日新聞記者が同行しています。

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 三浦さんは現地時間の9日(遠征8日目)、標高4200メートルにあるベースキャンプ(BC)入りを予定していたが、悪天候でヘリコプターが飛ばず、足止めとなった。

 ヘリは重量制限があり、遠征隊7人とガイド、記者の計9人は朝から4回に分けてBCに向かう計画だった。だが、標高3200メートルの宿泊地近くのヘリ基地やアコンカグアの周辺では強風が続き、午前中のフライトが見送りに。夕方に仕切り直そうとしたが、雪も降って視界が悪くなり、10日に延期された。

 宿泊地で「停滞」となったが、三浦さんは、計画通り進まなくても「天候ばかりは仕方がない」と動じる様子はなく、散歩したり、休養したりして過ごした。

 そんななか、ドイツ人男性に声をかけられた。男性はステファン・シーブキングさん(72)。69歳でエベレストに登頂した経験があり、遠征をサポートする現地エージェントの知人を訪ねてきたという。三浦さんの計画について「偉大な考え方だ。成功できるだろう」と、激励していた。

 登山の中心となる登攀(とうはん)リーダー倉岡裕之さん(57)は「今年のアコンカグアは強風が多い。ただ、登頂日以外は風が強くても行動はできる」と話した。

 悪天候で行動できないことは山ではよくあることだ。ただ、予備日も設けているとはいえ、序盤からアンデスの風に悩まされることになった。

 宿泊地でも朝から冷たい風が吹き、午後は雪も舞った。記者は埼玉県北部の出身だが、「空っ風」で知られる冬の季節風「赤城おろし」に似た強さだった。終日、ロッジ内で荷物の整理などをして過ごした。ここは三浦さんと同じようにどっしりと構えるしかないだろう。(金子元希)