【動画】特別背任事件でも鋭く主張が対立するカルロス・ゴーン氏と東京地検特捜部。構図をわかりやすく解説=グラフィック・荻野史杜
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 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が私的な損失を日産に付け替えたなどとして逮捕された特別背任事件で、東京地検特捜部は11日、前会長を会社法違反(特別背任)の罪で追起訴した。また、前会長と前代表取締役グレッグ・ケリー容疑者(62)を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪でも追起訴。同法の両罰規定に基づき、法人としての日産も追起訴した。前会長の弁護人は同日、東京地裁に保釈を請求した。

 前会長は、①約18億5千万円の評価損が生じた私的な投資契約を2008年に日産に付け替えた②この契約を自分に戻す際に約30億円分の信用保証に協力したサウジアラビアの実業家ハリド・ジュファリ氏に対し、日産子会社から09~12年に計1470万ドル(約12億8400万円)を不正に送金した――として、特別背任容疑で再逮捕された。

 今月8日、勾留理由を開示する手続きに出廷した際は、「容疑はいわれのないもの」と述べた。このうち、①については「日産に損失を負わせない限りで、一時的に日産に担保を提供してもらうように要請した。日産に一切損害を与えていない」と反論。②についても、「ジュファリ氏は日産に対して極めて重要な業務を推進してくれた。関係部署の承認に基づいて、相応の対価を支払った」と主張した。

 有価証券報告書の虚偽記載については、10~17年度の8年間で計約91億円分を記載しなかったとの容疑で、ケリー前代表取締役とともに逮捕され、10~14年度の5年分は既に起訴されている。15~17年度の3年分の容疑は、昨年12月20日に東京地裁が検察側の勾留延長の請求を却下したため、処分保留で捜査が続けられていた。

 前会長とケリー前代表取締役はそれぞれ、これらの容疑も否認している。前会長は「退任後の報酬の支払いは確定しておらず、記載義務はない」、ケリー前代表取締役は「退任後の支払い方法は検討していたが、役員報酬とは関係ない」と供述しているという。

 関係者によると、前会長は高額報酬への批判を避けるため、実際の年間報酬は約20億円だったが、報告書に記載するのは約10億円にとどめ、差額の約10億円は退任後に受領することにしていたという。