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 「毎月勤労統計」が不適切な手法で2004年から調査されていた問題で、厚生労働省は11日、同統計をもとに給付水準が決まる雇用保険や労災保険などの過少給付の総額が約567億5千万円で、対象者は延べ約2千万人だったとの検証結果を公表した。厚労省は対象者に不足分を追加給付する。

 不適切な手法や、本来の調査手法に近づける補正を公表せずに昨年1月調査分から実施していたことについて、検証結果では「一部の職員は認識していたが、組織全体では共有していない」とした。根本匠厚生労働相はこの日の閣議後会見で「極めて遺憾で心からおわび申し上げる」と謝罪した上で、「組織的隠蔽(いんぺい)があったとの事実は現時点ではないと思っている」と強調。不適切調査に関与、把握していた職員の範囲については「調査中」とした。

 この統計は、統計法で政府の「基幹統計」と位置づけられ、国内総生産(GDP)や景気動向指数など多くの経済指標の算出にも使われる。厚労省が都道府県を通じて、労働者1人当たりの現金給与総額や労働時間の変化を毎月調べて公表している。

 検証結果によると、本来は従業員500人以上の大規模な事業所はすべて調べるルールだが、厚労省は04年から東京都分について同規模の約1400の事業所のうち約500事業所だけを抽出して調べていた。東京都分で、比較的賃金の高い大規模事業所の調査数が本来の3分の1ほどと少なくなっていたことで、正しく調査した場合と比べ低い賃金の結果が出ていた。12~17年の「きまって支給する給与額」の公表値は、本来より平均0・6%低かったとみられる。

 雇用保険の失業給付の日額上限や下限、労災保険などの給付水準は同統計の平均給与額をもとに算定されている。そのため、雇用保険で延べ約1900万人で計約280億円、労災保険で延べ約27万人で計約240億円の過少給付があった。雇用保険の1受給期間の1人当たり不足額は平均約1400円。ほかに船員保険で計約16億円、雇用調整助成金などで計約30億円の過少給付があった。

 問題が発覚した経緯については…

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