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 日立製作所は、英国で手がける原発の新設計画を中断する検討に入った。来週にも開く取締役会で議論し、正式に決める見通し。着工の条件とする出資金集めが難航し、英政府に支援枠組みの見直しを求めていたが、10日の日英首脳会談でも目立った進展がなかったとみられ、計画の継続は難しいと判断した。

 計画の中断が決まれば、2千億~3千億円規模の損失を2019年3月期決算に計上する見込み。着工のめどが立たないなかでも、工事の準備作業などによって費用が生じていた。

 計画では、英西部のアングルシー島に原発2基を新設する。世界的な原発の安全基準の強化を受け、総事業費は最大3兆円程度にふくらむ見通し。日英両政府と日立は昨年6月までに計画の支援枠組みで大筋合意し、日立、日立以外の日本勢、英国勢が3千億円ずつを出資し、英政府が約2兆円の融資に保証をつけることが固まった。事業費は完成後につくる電気を売って回収する仕組みで、日立は英政府に高値での買い取り保証も求めていた。

 だが、電力会社などを想定した日本勢からの出資金集めが難航。日立の中西宏明会長は昨年12月、経団連会長としての会見で「難しい状況。もう限界だと思う」と述べ、英政府に支援枠組みの見直しを求めていることを明らかにしていた。