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 タオルの国内二大産地の一つ、大阪・泉州タオルの老舗が大阪産のクラフトビールやワインから染めたタオルを生み出した。醸造時に使う麦芽などを再活用することから、ブランド「のこり福」と命名。産地の存在感を印象づけようと、鮮やかで深い琥珀(こはく)やルビーの色に染め上げた。

 大阪府南部の泉州地域は江戸時代末期から木綿の産地。「のこり福」を売り出す「袋谷(ふくろや)タオル」のある泉佐野市は、日本のタオル発祥の地とされる。

 袋谷タオルは1926(大正15)年に創業。主に企業や旅館などの名前を織り込んだ商品を製作してきた。最近では、市域にある関西空港を拠点とする格安航空会社ピーチ・アビエーションのオリジナルタオルなどを手掛けてきた。

 きっかけは東日本大震災だった。専務の袋谷謙治さん(49)が、津波をかぶった土地で綿花を栽培して復興を目指す宮城のプロジェクトに参加。現地で草むしりを手伝い、「農家の人がいないと自分たちの仕事はない」と改めて実感した。

 「大阪の農家を応援しよう」と、2014年に大阪産の水ナスやタマネギから抽出した染料で染めたタオルブランド「雫(しずく)」を立ち上げた。16年には大阪の特産にも注目してもらおうと、「のこり福」を始動。大阪市中央区のクラフトビール醸造所から黒ビールの醸造後に残る麦芽を譲り受け、琥珀色に染めたタオルを作った。第2弾として、大阪府羽曳野市のワイナリー「河内ワイン」の協力を受けて、醸造後に容器の底に残る澱(おり)を譲ってもらった。

 ワインタオルの試作には約1年を費やした。ワインならではの赤色を出そうと、他社製品も含めて約15種類のタオルを試しに染色。色鮮やかでふっくらした肌触りに仕上がる、通常より太くて軽い糸を採用した。織った後に染色して洗い上げる「後晒(あとざら)し」という泉州タオルならではの製法を経て、吸水性の高い商品が完成。昨年11月から一般向けに販売を始めた。同12月には、大阪府が府内の中小企業の優れた製品を認証する「大阪製ブランド」に選ばれた。

 袋谷さんは「化学染料では出せない、自然な深みのある色を出すことができた。タオルを手にして、大阪のものづくりに興味を持ってもらえれば」と自信を見せる。

 ハンドタオル(33センチ×34センチ)1500円(税抜き)など。「のこり福」のホームページ(http://nokori-fuku.jp/別ウインドウで開きます)から注文できる。問い合わせは袋谷タオル(072・462・2288)へ。(坂東慎一郎)