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【2015年11月26日大阪本社夕刊】

 国際日本文化研究センター(日文研、京都市西京区)が10月、一般公開され、センター顧問で哲学者の梅原猛さん(90)、所長の小松和彦さん(68)、副所長の井上章一さん(60)が戦後70年をテーマに講演した。

 「軍隊生活を経験した最後の戦中派」と自らを呼ぶ梅原さんは「負ける戦争で、どうして死ななければならないのかと懐疑を持ったのが、私が哲学を始める動機となった」と回顧した。「広島、長崎の原爆の犠牲者に今も後ろめたさを感じている」とも。

 「九条の会」の呼びかけ人の一人となったことも振り返り、「憲法9条はノーベル賞に値する。そこには人類の理想が含まれている。戦争は絶対にいけない」と強調した。

 小松さんは「私たちの世代は世の中の変化を一番体験したかもしれない」「知りたい情報を簡単に手に入れることができるようになった。時代の変化の中で文化がどんな役割を果たしていくのか、日文研にいる者は考えていかなければならない」と説いた。

 井上さんは建築史の視点から戦争を考察。「イタリアが1943年、連合国と休戦した背景には、このまま戦争を続けてローマ、フィレンツェ、ベネチアなどの建築が爆撃されていいのかという思いがあった。残念ながら、日本では文化財の建物を守ろうという意識が希薄だったのではないか」と指摘した。(大村治郎)

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