[PR]

(14日、全国高校サッカー 青森山田3―1流通経大柏)

 前半32分、青森山田は3戦連続で先制点を許した。しかも、警戒していたセットプレーから。「描いていたプランとは違った」と黒田監督は認めている。

 ピッチの選手には、それでも落ち着きがあった。MF天笠は「焦らず、こぼれ球を拾うことに集中するように切り替えられた」。

 U18プレミアリーグで今季2回対戦した相手。手の内は知り尽くしている。「蹴り合いになるのは想定内」(GK飯田)という割り切りが11人にあった。パスにこだわらず、リスクを減らして肉弾戦に応じる。同点ゴールは相手のお株を奪う逆襲速攻。手数をかけず、天笠の縦パスにFW佐々木が抜け出して、MF檀崎が流し込んだ。

 後半は一転して、サイド攻撃という武器を徹底的に使った。右MFのバスケス、左の檀崎にボールを集めて切り崩す。勝ち越し点はバスケスが大きく2回切り返すドリブルからクロス。檀崎が合わせた。

 柔軟な対応力は長い時間をかけて培ってきた。

 プレミアリーグでは、技術に優れたJクラブユース相手に守りを固めざるを得ない。トーナメントの高校選手権はセットプレーが物を言う。黒田監督は「すべてができないと勝てない」と求め続けた。今大会ではロングスローを持つMF沢田を先発に抜擢(ばってき)もした。

 48歳の指揮官は勝利への執着も人一倍だ。大会前、「優勝候補」ともてはやされた選手に緩みを見てとると、主将を交代。「チームを壊して危機感を持たせたかった」。最後にそんなスパイスも施していた。(潮智史

     ◇

 青森山田の旺盛な攻撃は、堅守あってのことだ。DF二階堂は「チームには、ゴールを隠すという言葉が伝統としてある」。シュートまで持ち込まれても最後ははね返す、その粘り強さを貫いた。だめ押しの3点目も堅守からのカウンターに、切り札のFW小松が抜け出した。「あれで楽になれた」と小松は自賛した。