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 全国各地で成人式が開かれた14日、昨年7月の西日本豪雨で大きな被害を受けた広島県呉市の天応地区でも、新成人らを祝う式典が開かれた。同地区では12人が犠牲になったが、新成人らは故郷への思いを新たにし、復興への貢献を誓った。

 式典は市民公園「呉ポートピアパーク」で開かれ、26人の新成人が参列した。豪雨の犠牲者へ黙禱(もくとう)を捧げた後、代表の2人が誓いの言葉を述べた。

 「大好きな天応が復興し、さらに魅力ある町にすることが私たちの使命と思います」と誓ったのは、呉工業高等専門学校5年の水尻舞さん(20)。豪雨では、自宅近くに住む祖母(80)宅に土石流が流れ込んだ。「電話はつながらず、全く状況がわからなかった」と振り返る。2階に逃げて近所の人に救出された祖母と再会できたのは2日後だった。

 水尻さんは環境都市工学を学んでいたこともあり、将来、砂防ダムや河川堤防といった防災関係の仕事に就きたいと思うようになったという。「自分のまちは自分で守らないと」と力を込めた。

 式典後は、新成人と地域住民が竹のおちょこで酒を酌み交わす「笹(ささ)酒まつり」も開かれた。無病息災を願い、同地区で40年続く行事。主催者の1人である平原啓治さん(87)は「若い人たちには災害に負けず、(伝統行事を)継いでいってほしい」と話していた。(新谷千布美)