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 《梅原猛さんと対談した批評家、東浩紀さんの話》

 仕事とは関係なく、若い頃から梅原さんの著書を熱心に読んでいたが、東日本大震災後、初めて対談の機会をいただいた。お元気で知的活力にあふれ、笑顔も印象的だった。「健康には気を使わず、運動もしていない」と気さくに話し、40歳以上年下のぼくにも対等に接してくださった。哲学は年齢に左右されない、何歳になっても現役で続けられる素晴らしいものなのだと非常に勇気づけられた。

 梅原さんは、極東の日本にあって、世界的課題に真っ向から向き合おうとする戦前の京都学派の野望、夢を受け継ぐ最後の一人だった。「梅原日本学」の特徴は、死者の慰霊や鎮魂といった視点から日本の歴史や宗教を解釈しようとするもので、第2次世界大戦や東日本大震災の課題にも通じるアクチュアルな問題意識だった。今後の日本哲学は、梅原さんの思想をしっかり受け継ぐことでしか展開できないと思う。