【動画】佐藤康子さんが自作した周期表グッズ=小坪遊撮影
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 「水兵リーベ…」の語呂合わせで知られる化学の周期表。高校の授業や入試の時に口ずさんだ人も少なくないはずだ。2019年はその誕生から150年にあたる「国際周期表年」。国内外で様々なイベントが予定されている。

 「H、Li、Na」「B、Al、Ga」。紙で出来た小さなびょうぶを中心から何回も裏返していくと、次々に元素記号が現れる。埼玉県の市民グループ「野老(ところ)実験クラブ」の佐藤康子代表(60)が作った「からくり周期表 からくるりん」=動画、写真=だ。楽しみながら元素記号を学んでもらおうと、7年前から改良を続けてきた力作だ。

 元は理科教師だった佐藤さんは、たくさんの科学グッズを作ってきた。最近も周期表をあしらった扇子やクリスマスツリーなどを自作したばかり。自治体や大学の企画する出前講座などに引っ張りだこだ。国際周期表年の今年は、さらに出番が増えそうだ。佐藤さんは「からくるりんで、周期表に関心を持ってもらう入り口としての役割が果たせたらうれしい」と話す。

 周期表の誕生は1869年。ロシアの化学者メンデレーエフが、炭素や酸素、水素などを原子の質量順に並べると、似た性質の元素が周期的に現れることに気づいたのがきっかけだ。すでに知られていた元素を法則に従って並べただけでなく、当時は表で「空白」になっていた未知の新元素の存在も予言。実際、新元素が後に次々と発見された。

 メンデレーエフの偉業をたたえて、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は2017年末、19年を国際周期表年にすると宣言。欧米やメンデレーエフゆかりのロシアなど、世界各地で学会やシンポジウムなどの関連イベントが目白押しだ。12月には東京でも式典がある。

 愛媛県総合科学博物館は2月に企画展を始める。日本化学会などの実行委員会は、2月23日に東京都内で記念シンポジウムを予定。日本発の新元素「ニホニウム」を発見した森田浩介・九州大教授らが講演する。実行委員会は、佐藤さんのような「愛好家」によるユニークな作品を全国の科学館などで巡回展示しようと検討中だ。中高生や大学生を対象にした元素のエッセー(作文)も募集する。

 実行委員長の玉尾晧平・豊田理化学研究所長は「若い人たちに周期表の重要性、美しさを知ってもらい、理解を深めて欲しい」と話す。エッセーの応募要項や、イベント情報は特設サイト(https://iypt.jp/別ウインドウで開きます)に順次掲載する。(小坪遊、小林舞子)