【動画】イプシロン4号機宇宙へ 搭載する人工衛星を公開=寿柳聡撮影
[PR]

 人工流れ星を作ったり、宇宙での姿を自撮り棒で撮影したり――。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げる「イプシロン」4号機は、これまでにない技術を宇宙に運ぶ「乗り合いバス」のようなロケットだ。「乗客」は、公募で選ばれた企業や大学など10機関がかかわる七つの衛星。18日に鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から飛び立つ。

 今回の打ち上げは、宇宙で試したい実証テーマを公募するJAXAの革新的衛星技術実証プログラムの第1弾。責任者の香河英史グループ長は「JAXAが思いついていなかったミッション。日本の未来をつくっていくようなものもあると思っている」と話す。

 七つの衛星は、ロケットの先端部に積み込まれた「革新的衛星技術実証1号機」という円筒形の土台に据え付けられている。胴体につく段ボール箱ほどの大きさの衛星の一つが、話題の人工流れ星実証衛星「ALE(エール)―1」だ。宇宙エンタメとして人工流れ星の事業化を目指すベンチャー企業が、2020年春に宇宙で粒を放出する実験に挑む。

 胴体にはあと二つ、日本で学んだベトナム人技術者たちによる「マイクロドラゴン」(慶応大)、さまざまな波長を切り替えながら地上を観測できる「ライズサット」(東北大)がつく。土台の上部には、東京工業大や中部大などの単体の部品や機構が宇宙で作動するかを試す衛星「ラピス1」が載る。

 下部には、一辺10センチの立方体を基本単位とする手のひらサイズの衛星(キューブサット)を放出する装置「E―SSOD」が2基ある。1基からは、薄い膜を宇宙で広げ、その様子を自撮り棒で撮影もする東京工業大の「OrigamiSat(オリガミサット)―1」が、もう1基からは九州工業大と日大の衛星が一つずつ放たれる。

 七つの衛星は約70分かけてそれぞれの軌道に投入される。液体推進システム(PBS)を何度も噴射して、小刻みに高度や姿勢を変えていく。イプシロンの責任者、井元隆行プロジェクトマネジャーは「これほど多数回の作動は初めてだが、バルブの耐久性は確認しており、全く心配していない」と語る。

 このプログラムは2年に1回、全4回計画されている。2020年度に予定する第2弾の公募では、全国10高専が手がける超小型衛星「KOSEN―1」も採択された。井元さんは「人工衛星なり探査機なりの経験が少ない方々に、ぜひイプシロンに乗っていただきたい。地方の機関や大学生、極端に言えば高校生でも大歓迎です」と話している。(寿柳聡)