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 「えっ」。2016年10月、試薬を入れた容器を見た富山大和漢医薬学総合研究所准教授のスレス・アワレさん(48)は驚いた。膵臓(すいぞう)がん細胞に効く薬を生み出したいと研究を始めて13年。追い求めていた化合物が見つかった。「世界中の人を助けられる発見かもしれない」

 ネパールの首都カトマンズで、祖父母と両親、姉に囲まれて育った。頭痛がする時などに、祖父母が薬草を煎じて飲ませてくれた。「どうしてこれが効くのだろう」。少年時代の素朴な疑問が、アワレさんを研究者の道に進ませた。

 鎮痛効果のある「モルヒネ」はケシから、抗生物質の「ペニシリン」は青カビから生まれた。世界中で使われている薬の3割以上は天然物由来という。アワレさんは植物を化学的に研究しようと大学、大学院に進学。1998年、伝統医薬を学べる富山医薬大(現富山大)に留学した。

 当初は戸惑いばかり。英語を話…

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