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 日本全国に広く生息するシオカラトンボは紫外線を反射し、撥水(はっすい)性のある特殊なワックスを分泌していることを、産業技術総合研究所などの研究チームが明らかにした。詳しい性質を調べており、生物由来の新しい日焼け止めの開発につながる可能性があるという。

 シオカラトンボの成熟したオスは日差しの強い水辺で見られ、背中付近で紫外線をよく反射する。研究チームは背中から多く分泌されている成分を調べた。すると、油に近いワックスのような物質が見つかった。顕微鏡でワックスの表面を観察すると、板状の微粒子が重なり、光を散乱させていた。ほかの生きものではあまり見られない特殊な成分だという。

 現在の日焼け止めにはチタンや亜鉛が含まれる商品もあり、人によっては金属アレルギーを起こすこともある。研究チームの二橋亮主任研究員は「今回見つかった成分は安全性などを確かめる必要があるが、従来とは違う生物由来の日焼け止めにつながる可能性がある」と話した。

 研究成果は、英学術誌「eLife」(https://doi.org/10.7554/eLife.43045別ウインドウで開きます)に掲載された。(杉本崇)