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 育児や配偶者の出産、介護などの事情を抱えながらも議員活動を続けられるようにする動きが県議会で進んでいる。昨年12月の定例会では赤ちゃんを連れて登院する議員も現れた。県民の代表として政策をつくっていく立場。足元から意識を改め、社会全体への波及をめざす。

 県議会の全女性議員7人は9日、議会規則の改正を求める提言書を佐々木順一議長に提出した。議員の欠席理由として現在認められているのは「公務、疾病、出産、その他の事故」。提言書では「育児、家族の看護・介護、配偶者の出産補助」なども加えるよう促している。

 地方議会では、若い世代のなり手や女性の政治参加が不足しがちだ。工藤勝子県議は「男女ともに変わる必要がある」とし「市町村議会にも波及させたい」と訴えた。佐々木議長は「開かれた議会を目指したい」と応じた。

 女性議員たちは、議会議事堂に授乳室や託児所を整備することなど具体的な対策も求めた。きっかけの一つになったのが、吉田敬子県議(40)だ。

 長男の出産後に復帰した昨年12月の定例会から、子連れで登院した。議会事務局によると、任期中に妊娠・出産したり赤ちゃんを連れて出勤したりした例はこれまでないという。

 吉田県議は2010年に盛岡選挙区から出馬して初当選し、現在3期目。昨年5月に長男を出産し、6月と9月の定例会は育児や産後の体調不良のため欠席していた。

 復帰にあたり保育所への一時預かりなどを活用しようと考えた。2017年に、熊本市議会で赤ちゃん連れの女性市議の出席が認められなかった一件から「子どもを連れてくることに不安があった」からだ。

 だが、長男は直接の母乳以外受け付けず、長時間離れるのは難しいと判断。先輩の女性県議や議長、議会事務局に相談し、子連れが実現した。控室で母親に面倒を見てもらい、休憩時間に授乳するなどしている。議会開会中は多くの議員が子どもに会いに来た。

 吉田県議は、待機児童をはじめ県内でもまだ子育て世代の声が反映されていないと指摘。「子どもと身近に接して見えてきたことを生かし、議会から一歩一歩変えていきたい」と話した。

 県議会の女性議員比率は現在15・2%(46人中7人)。内閣府によると17年末現在では全国の都道府県議会で4番目に高いが、市区議会では全国平均を下回る。

 

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(渡辺朔)