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 「片付けができない」「自分のことばかり話してしまう」。発達障害に特有の傾向の一つとされるが、誰でも「あるある」と思ってしまうはず。こんな「苦手」なことをオープンに語り合うカフェが、大阪市淀川区で開かれている。発達障害がある人とそうでない人がともに参加し、相互の理解を深める試みだ。

 「忘れ物が多い人っています?」

 大阪市淀川区のビルの一室。テーブルを囲んで座る20~70代の男女約10人のうちのひとりが、こう問題提起した。

 するとリラックスした感じで、こう会話が続く。「しょっちゅう。傘なんて何本無くしたか」「あるある。高い傘を買うと、忘れにくくなります」

 月1回程度開催されている「発達あるあるカフェ」。発言したのは、発達障害の当事者だ。忘れ物が極端に多いのは、発達障害のうち「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」に当てはまるとされ、こうした身近な体験から、「苦手」なものに気づいてもらうとともに、対処法も共有してもらうのがねらいだ。カフェの名前通り、テーブルにはジュースやお菓子。「ゆるい感じ」を醸し出すためには、不可欠だという。

 主催は障害者の就職支援と職業訓練に取り組む一般社団法人「みがく」(大阪市淀川区)。代表の建山和徳さん(43)は20代の時に周囲とコミュニケーションがうまくいかず、ひきこもった経験がある。その後発達障害のことを知るうちに、「優先すべき仕事より目の前の仕事からしてしまう」「話しだすと止まらない」といった、自分の特性が、発達障害の特性に当てはまると気づいた。

 2015年に始めた会は、当事者以外も参加できるようにした。「障害のあるなしにかかわらず、苦手なことはみんなある。さらけだして、みんな同じ人間じゃんと思える場所になればいい」。発達障害の専門外来を設ける「かえでクリニック」(大阪市城東区)の子安信寛院長(43)は発達障害のこうした特性とされるもの自体は、「誰にでもある」と指摘する。その程度が大きく、日常に支障が出るのが発達障害で、特性が重なることもあり症状は人によって大きく違う。

 大阪府高槻市の30代の男性会社員は、19歳の時に「自閉症スペクトラム障害(ASD)」と診断された。発達障害について気軽に話せる場所を探して、会にたどり着いた。「経験を振り返ることで、自分を客観的に見ることができる。昔よりコミュニケーションがとれるようになった」。発達障害について知りたいと参加した、障害者の支援を行う女性は「自分にも『あるある』と思うことばかり。境界って、あいまいと思った」と言う。

■孤独の中で悩…

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