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 韓国体育会の李起興会長は15日、平昌冬季五輪の金メダリストの女子選手が男性コーチから性暴力を受けていたと実名告白した問題に関し、「自浄機能を果たせなかった」として国民に謝罪した。背景に成績至上主義や組織的な隠蔽(いんぺい)があったと認め、「メダルをあきらめてもスポーツ界に蔓延(まんえん)した(加害者に甘い)温情主義の文化を撤廃する」と再発防止を約束した。

 きっかけは平昌五輪のスピードスケート・ショートトラック女子3千メートルリレーで金メダルを獲得した沈錫希選手(21)の告白。高校生だった17歳から約4年間、男性コーチから性的暴行を受けたと明かし、警察が捜査に乗り出している。続いて柔道女子の元選手も同様の告白をした。この5年間に韓国体育会などが暴力や性的暴行、暴言で懲戒した事件が124件に上っていたことも判明した。韓国では昨年以降、性暴力被害を告発する「#MeToo(私も)」運動が一気に広がっており、メディアも連日大きく報じている。

 李氏は記者会見で「耐えがたい苦痛の中でも勇気を出してくれた被害選手に感謝を申し上げる」と述べ、性暴力の隠蔽や黙認に関与した関係者を厳しく処分すると約束。徒弟制度のような国家代表選手の訓練方式を全面的に見直すとした。ただ、背景には自国開催五輪でメダルを増やすことを最優先した体育会の姿勢があったとし、会長辞任を求める声も高まっている。(ソウル=武田肇)