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 口を真一文字に結んで、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は東京五輪・パラリンピック招致への汚職関与疑惑に関する15日の会見で「自らの潔白を証明すべく全力を尽くして参ります」と淡々と述べた。その思いが見ている人に伝わったか、はなはだ疑問だ。

 竹田会長は今回の問題について、贈賄への関与を否定するコメントを11日に発表している。「誤解されないように」と会見の場を設けたのに、質問を受け付けなかったことで、受ける印象はより悪くなった。

 仏裁判所の捜査がはじまるから、という理由は分かる。それでも話せる範囲で質問に答え、当局の捜査に影響しそうな質問には、「答えられない」と言えばよかった。今回の問題の本質とは違うところで、「東京五輪」のイメージダウンにつなげてしまった。

 スポーツ界の不祥事が相次いだ昨年、競技団体のつたない事後対応が世間の反感を増幅させた事態が問題視された。あの教訓から、統括組織であるJOCはリスク管理の大切さを学ばなかったのか。

 旧皇族出身で明治天皇のひ孫にあたる竹田会長は、馬術で五輪に2大会連続出場。JOC会長は現在10期目で、国際オリンピック委員会(IOC)委員でもある。抜群の経歴に、大きな傷がつきかけている。(野村周平)