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 3月21日にリニューアルオープンする福岡市美術館(福岡市中央区)が、福岡の伝統工芸の技を生かしたオリジナルグッズ作りを進めている。所蔵品を元にした高取焼の茶器の写しや、絵付けができる博多人形などで、新たな目玉をめざす。

 福岡市美の売りの一つが、充実した所蔵品のラインアップだ。1979年の開館以来、美術品の収集を進め、約1万6千点を所蔵している。これまで作品としては人気があっても「見るだけではなかなか身近に感じてもらうことが難しかった」(担当者)。

 2階にあったミュージアムショップは、リニューアルを機に多くの来場者が往来する1階に移る。何か話題になるものをと考えたとき、福岡の伝統工芸とのコラボを思いついた。

 高取焼は江戸時代から黒田藩の御用窯として知られたやきもの。「半筒茶碗(ちゃわん)」はサビ(酸化鉄)をきかせたあめ釉(ゆう)とわら灰釉の調和が美しい高取焼の名品だ。今回、高取焼宗家13代高取八山(はちざん)さんが本物そっくりの写しをオリジナルグッズとしてつくる。

 博多人形師の中村信喬(しんきょう)・弘峰(ひろみね)さん親子が考案したのは、購入者が自分で自由に絵付け体験ができる素焼きの博多人形だ。所蔵品に着想を得た「足で頭を搔(か)くうさぎ」をはじめ、絵付けの難易度に応じて「鳳凰(ほうおう)」など計4種類を用意。絵の具や色鉛筆で彩色できる。「大人の塗り絵の博多人形版みたいなものをイメージした。彩色体験を通じて、博多人形や美術館の所蔵品に興味を持ってもらえたら」と弘峰さん。

 愛嬌(あいきょう)たっぷりな猫のかわいらしさを博多人形で表現した「福かぶり猫」は、福岡ならではの縁起のいい招き猫として人気だ。博多人形師の小副川(おそえがわ)太郎さんは、美術作品に登場する猫をモチーフにした福かぶり猫を作ろうと奮闘している。グッズの価格はいずれも未定だ。ショップでは他に、福岡在住の陶芸家・鹿児島睦(まこと)さんや水引デザイナーの長浦ちえさんら人気作家の商品も扱う予定。

 福岡市美の担当者は「グッズも楽しみに来館するのもいい。地域に親しまれる美術館への入り口になれば」と話している。リニューアルオープンに合わせ、サルバドール・ダリやジョアン・ミロ、アンディ・ウォーホルなど美術館所蔵の代表作を一挙公開する、最大規模のコレクション展(3月21日~5月26日)を予定している。(安斎耕一)