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シリコンバレーを生きる

 米シリコンバレーに、日本から来た若い起業家たちが兄のように慕う人がいる。小林清剛さん(37)だ。これまで現地での起業のノウハウが引き継がれてこなかった日本の若手起業家に、少しずつ自分の体験を伝えてきた。日本では知る人ぞ知る起業家だった小林さんが、シリコンバレーで人をつなぐことに力を注ぐ理由とは何なのか。

 起業家が集まるサンフランシスコ市内の建物の2階に、小林さんのオフィスはある。レストランなどで食べたものの写真を、レストランの地理情報などと共に友だちと交換するソーシャルメディア「Chomp(チョンプ)」を創業し、サービスを広げ始めた。

 小林さんの名が起業家の間で知られるようになったのは、2011年ごろのこと。まだ日本でiPhoneを使っている人すらあまりいなかった09年、スマホのネット広告事業を手がける「ノボット」を創業。スマホの普及とそれに伴うネット広告の成長を見越し、わずか2年ほどで月に1億円を売り上げる会社にした。そして、会社がもっとも伸びていた11年夏、あっという間にKDDIの子会社に売却した。

 日本ではまだ大企業がスタートアップ企業を買収すること自体が珍しかった時代だった。「会社を売るなんて、家族を売るようなもの」。そんな雰囲気すらあった。でも日本以外の国では、会社を売却してその売却益で新たな事業を興すことを繰り返す「連続起業家(シリアル・アントレプレナー)」が生まれていた。

 「起業家は、会社の価値を最大化することを考えるべきだと思う。大きな会社に売却したことでそれが実現できるなら、そっちを選んだほうがいいと思っていた」

 自分の会社だけでなく、同じように会社を売却したいという人の相談にのり、売却手続きまで手伝った。後に続く人が出始め、会社を売ることに否定的な風潮は次第に変化していった。小林さんはそのきっかけをつくった、と言われてきた。

最初の会社の失敗

 学生時代から「就職」は頭になく、自分で事業を立ち上げることにこだわってきた。大学時代には、コーヒー豆を安く買えるネット通販サイトを創業した。

 「コーヒー業界は大手が強く、…

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