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 病原体のような外敵や、寒さや乾燥といった刺激から体を守る、バリアー(防御壁)としての働きがある皮膚。年齢を重ねると、その機能は衰える。変化に上手に対処するには、保湿を中心としたスキンケアが欠かせない。皮膚の異常には重大な病気が隠れていることもあるので、こまめに観察することも大切だ。

 東京都内に住む男性(76)は毎晩、風呂上がりに、すね(ひざ下)や腰回り、脇腹に保湿クリームを塗る。細長い道具を使って背中にも。頭皮には、よりさらっとした保湿ローションを塗る。

 10年ほど前、体のあちこちがかゆくなった。気持ちがいいので気がすむまでポリポリかいていたら、皮膚が傷つき炎症が起きた。上野毛皮膚科クリニック(世田谷区)を受診すると、皮膚の乾燥が原因で起こる「皮脂欠乏性湿疹」と診断された。炎症を抑えるステロイドの塗り薬とかゆみを抑えるのみ薬で治療した。

 以来、石河(いしこう)亜紀子院長の指導に従い、皮膚の保湿を心がけているが、時々は湿疹ができる。「乾燥しやすい冬、ポカポカした布団の中に入るとかゆみが生じやすく、寝ている間に無意識のうちにかいてしまう」と男性は苦笑する。

 かくと皮膚が傷んでバリアー機能が損なわれ、炎症が起きる。さらにかゆみが強まり悪循環だ。「かゆくならないように皮膚を保湿し、かいても重症化する前に治療して悪循環が起きないようにする。予防と早めの治療が効果的です」と石河さんは言う。

 健康な皮膚は、自ら分泌する皮脂が表面を覆い、水分の蒸発を防いでいる。角質層の細胞には水分を保持するアミノ酸類などの「天然保湿因子」があり、角質細胞同士の間にあるセラミドなどの「角質細胞間脂質」も皮膚の水分の蒸発を防ぐ=図。

 このような皮膚の潤いが、皮膚のバリアー機能を保つには重要だ。加齢とともに皮脂や天然保湿因子、角質細胞間脂質は減り、皮膚が乾燥して表面の皮脂膜やその下の角質層に隙間ができたりはがれたりする。

 「するとバリアー機能が低下し、外部の刺激に弱くなり、炎症が起きる。それが皮脂欠乏性湿疹です」と国立国際医療研究センター(新宿区)の玉木毅・皮膚科診療科長は説明する。皮脂欠乏性湿疹が一番できやすいのはすねだ。他に太ももや腰の周辺、脇腹、背中の下のあたりにもできやすい。「他の部位に比べてもともと皮脂の分泌が少ないためだ。逆に顔や背中の上部など、ニキビのできやすい部位は皮脂の分泌が比較的多いので、乾燥による湿疹はできにくい」と玉木さん。

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