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 米ニューヨーク・タイムズ紙は15日、トランプ米大統領が昨年、非公式な場で複数回にわたって北大西洋条約機構(NATO)から離脱したい意向を周囲に話したと伝えた。トランプ氏は、NATO加盟国の国防費の負担が軽いとの不満を示していた。

 同紙によると、トランプ氏は昨年7月、ブリュッセルで開かれたNATO首脳会議の前後に離脱意向を漏らした。NATO首脳は、トランプ氏の国防費増額の要請を受けて緊急会合を開催。この場で「増額を達成できなければ独自の行動をする」と離脱を示唆したとされる。

 最終的にマティス国防長官(当時)やボルトン大統領補佐官に「NATO離脱は米国の欧州での影響力を後退させ、ロシアを勢いづかせる」と説得され、矛を収めた。トランプ氏は会合後の会見で、各国が増額に応じたことを強調し、離脱を「必要ない」と語っていた。

 NATOを巡っては、トランプ氏は大統領就任前から「時代遅れ」などと批判。集団防衛を定めたNATO条約5条についても「公平な分担次第だ」とも語っていた。

 トランプ氏は昨年12月、シリアからの米軍の全面撤退を表明。反発したマティス氏が国防長官を辞任した。国際協調を重んじるマティス氏が政権を去ったことで、トランプ氏がNATO離脱論を再燃させる可能性もある。(ワシントン=杉山正)