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 大阪市営地下鉄(現・大阪メトロ)の50代の男性運転士2人が、ひげを理由に人事評価を下げられたのは人格権を保障した憲法に違反するとして、市に1人200万円の賠償などを求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であり、内藤裕之裁判長は市に慰謝料など計44万円の支払いを命じた。

 判決などによると、市交通局は2012年、橋下徹前市長が進めた市職員の服務規律の厳格化を受け、男性職員がひげを生やすことを禁じる「身だしなみ基準」を制定した。2人は上司からひげをそるよう言われたが従わず、13、14年度の人事評価は5段階で最低か、下から2番目だった。

 判決は働く人がひげを生やす権利について、憲法との関係には直接触れずに「個人的自由に属する」と指摘。市交通局のひげに関する基準は職員への命令ではなく協力を求める趣旨なのに、上司が人事処分を示唆してひげをそるよう指導したり、人事評価でひげを主要な減点要素としたりしたことは趣旨を逸脱して違法だと判断した。

 原告の河野英司さん(56)は判決後の記者会見で「自分が正しいと思うことを貫いてきた。これからは公正に評価してほしい」と語った。代理人の村田浩治弁護士は「使用者が労働者の私生活に影響を及ぼす制限をしないよう警鐘を鳴らす判決だが、憲法上の権利だと明記しなかったことは残念」と述べた。

 市は「判決内容を精査し、対応を検討したい」とコメントした。昨年4月の地下鉄、バス事業の民営化に伴い、基準は事実上廃止されたという。(畑宗太郎)

■橋下市長の時代…

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