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 滋賀医大病院(大津市)で前立腺がんの小線源治療を受けた患者と家族らで作る患者会は16日、泌尿器科教授らが担当医でもなく診療にも関与していない患者のカルテを不正に閲覧していたとして、厚生労働省に調査するよう求めた。

 患者会によると、不正に閲覧されていたのは同大病院で小線源治療を受けた約1千人のカルテ。小線源治療を専門に行う、岡本圭生医師が担当する患者の大半に当たる。治療にあたっていない泌尿器科科長の河内明宏教授ら同科の医師10人が昨年11月2日から28日まで閲覧したという。電子カルテにアクセスした履歴が残っていた。

 また、松末吉隆院長が昨年5月から8月にかけて計4回、医療サービス課の事務職員が同年6月から9月にかけて計4回閲覧していたという。

 閲覧に気づいた岡本医師が昨年11月29日、個人情報の適切な管理のための措置を義務づけた「独立行政法人等個人情報保護法」に違反するとして、滋賀医大の公益通報窓口に通報した。だが、大学からその後通知がないため、岡本医師が今月になって厚労省と患者会に閲覧の事実を伝えた。

 患者会代表幹事の安江博さんは「患者と面識もない医師や職員が患者のカルテを閲覧することは人権侵害だ。患者の人権が守られるよう厚労省の指導を期待したい」と話した。要請に対し厚労省の担当者は「調査する」と答えたという。

 朝日新聞の取材に対し、滋賀医大は「回答を差し控える」としている。

 電子カルテの閲覧をめぐっては、昨年11月に島根県出雲市で女性2人が殺害された事件の被害者1人のカルテが搬送先の島根大病院で247人に閲覧される問題が起きた。同大はそのうち少なくとも96人が業務外だったと発表し、病院長らが謝罪した。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(出河雅彦)