[PR]

時紀行

 立山連峰を水源とし、富山市中心部を流れるいたち川。その川沿いに地蔵尊などの仏像19体が集まる約3キロの一帯がある。由来やまつられた時期ははっきりしないが、それぞれの町内で大切に守られ続けてきた。生活を見守り続ける仏像と、至る所であふれ出る豊富な地下水に人々が集う。

 1月上旬、あたりがまだ暗闇に包まれた午前5時半。富山市中心部を流れるいたち川沿いにある「石倉町延命地蔵尊」(富山市石倉町)に、一人、また一人とお参りの人が訪れる。

 「明るい星見えた?」。「見えたよ」。声をかけるのは、近くで時計店を営む中井真理子さん(77)。毎朝約1時間、地蔵尊をまつったお堂の掃除を、ボランティアで10年ほど続けている。

 言い伝えでは、この地蔵尊が安置されたのは1858年。安政の大地震が起こり、立山を水源とするいたち川は泥の海となって周辺に疫病がはやった。そんな中、晒屋甚九郎(さらしやじんくろう)という町人が夢のお告げ通りに川底を探すと、地蔵尊像が見つかった。供養すると病人たちは快方に向かっていった――。

 お参りに来る人は様々だ。家族を仕事や学校に送り出す前に、今日一日の無事を祈る人、何事もなく終えた一日に感謝する仕事終わりのタクシー運転手……。

 ぽつぽつとお堂の中のろうそくに明かりがともる。161年、人々を見守り続けている地蔵尊の、柔和な顔が浮かぶ。「心が和むでしょう」と中井さん。お堂の掃除は、別の住民が出来なくなり、引き継いだ。毎朝の住民の務めを途絶えさせては「申し訳ない」と、ほうきを握る手に力を込める。

   …

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら