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 堺市南区の大阪府道で昨年7月、「あおり運転」の末に車で大型バイクに追突し、大学4年だった高田拓海さん(当時22)を死亡させたとして殺人罪に問われた同区の元警備員、中村精寛(あきひろ)被告(40)の裁判員裁判が17日、大阪地裁堺支部で結審した。最愛の息子を失った母親(45)は、持てる気力を振り絞って意見陳述に立った。

 母親は意見陳述で、まず高田さんの生い立ちを振り返った。妹と弟の面倒見がよかったお兄ちゃんが高校で寮に入ってしまった時の寂しさ。旅先の景色を伝えたいと写真を送ってくれたこと。一張羅のスーツで勝ち取った就職内定――。わずか20年余りで絶たれた思い出を語る言葉は、愛情にあふれていた。

 そんな幸せな暮らしを壊した事件に話が及ぶと、黒いスーツに身を包んだ母親はたびたび声を詰まらせ、涙をぬぐった。

 高田さんは、母親と同じ職場で…

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