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 「簡単に稼げる方法を教えます」などという金もうけの手法をめぐり、トラブルが増加している。ネット上で売買されるこうした情報は「情報商材」と呼ばれ、高額な契約をしても宣伝通りの成果が上がらずに問題になるケースが多い。

 青森県の50代主婦は昨年2月、LINEに入った広告が気になった。

 「ほんの数秒、写真を選ぶだけで収入アップ」

 家族の不仲を気に病んでいた時期。心臓に疾患があり、家計の足しになればと封筒作りなどの内職をしていたが、単価は数円程度。内職よりましだと考えた。初期費用1万2千円を払い、動画を共有サイトに投稿して再生回数を重ねて広告収入で稼ぐビジネスをメールで紹介された。ビジネスには、画像システムの購入が必要だと促された。「ネットの知識が乏しいから」としぶると、電話で何度も「プロがサポートするから心配しなくていい」と言われた。

 22万円を支払い、システムがメールで送られてきたが、使い方がわからない。電話すると「使い方が悪い。メールで質問して」と言われた。だが、メールを送っても返信がない。結局、動画が作れたのかどうかもわからず、当初、購入すればキャッシュバックすると言われた5万円も振り込まれなかった。女性は「うまい話にのってしまった。気持ちが弱っている人はつけこまれてしまう」と話す。

 国民生活センターによると、情報商材のトラブルに関する相談は2018年は8217件(今年1月8日まとめ時点)。5392件だった17年の約1・5倍で、2629件だった16年と比べて約3倍。SNSの普及で情報を届けやすくなったことが一因とみられる。担当者は「手の出しやすい少額なもので誘い込んだ後、より稼ぐために必要だと促し、高額な商材を買わせることが多い」と話す。情報商材の広告は、ネット閲覧中に表示されたり、メールなどで送られたりする。過剰な広告で誘導され、価格に商材が見合っていないことから苦情へつながる事例が多い。

 消費者庁は昨年10月、「スマホをタップするだけでお金が稼げる」などと根拠のない広告をしたとして、東京都新宿区のネット広告会社の社名を公表し、注意を促した。ビジネス考案者が利益を得ているような宣伝を動画で流したが、考案者は架空の人物で、収益もあがっていなかったという。消費者庁の担当者は「簡単に高額収入が得られると強調する広告には注意が必要。不審な点があれば、お金を支払う前に全国各地の消費生活センターなどに相談してほしい」と話す。(長谷文)