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 水田や森林など様々な場所に生息している体長数センチほどのアマガエル。街中でもみられるが、交通量の多い場所ではクルマにひかれてしまうこともある。その悲劇の理由は何か? 北海道大と国立環境研究所などのチームの研究で分かってきた。

 北大の中野百合華さんらは、アマガエルなど両生類の保全を目的に、研究に取り組んだ。

 札幌市内にある森林総合研究所北海道支所の構内に「森林」と「草地」、さらに「道路に似た人工的な平地」という異なる環境を模した幅1・5メートル、長さ25メートルの区域を設置。それぞれ網で覆ってから、市内で採集したニホンアマガエル76匹をそれぞれに放った。

 その上で、市内の幹線道路沿いで録音したクルマの走行音を区域内に設置したスピーカーから流し、騒音の有無によって一晩あたり移動距離に違いがあるかを調べた。走行音は、人が聴いて「うるさい」と感じる音量にした。

 「森林」と「草地」の区域では、走行音の有無によって移動距離に違いはなかったが、「人工的な平地」では、騒音がある場合、移動距離は約30%短くなっていた。

 生物の生息地の移動などを専門とする北大大学院農学研究院の石山信雄・博士研究員は「都市化が両生類の種や数の減少に関係していると言われている。騒音のような目に見えない環境が生物の生息に影響を与えている可能性がある」と話す。

 一方で、草地などでは騒音があっても移動距離に影響はなく、騒音以外の要因も絡む可能性がある。動きが鈍くなるメカニズムの謎が「解明するきっかけになれば」という。

 論文はオランダの専門誌で発表した。(小林舞子)