京都の花街(かがい)の1年は、始業式で幕を開ける。

 石畳の路地を、黒紋付きの正装で、正月らしく稲穂の髪飾りをつけた芸妓(げいこ)や舞妓(まいこ)たちが歩く。式へ向かう道すがら、「おめでとうさんどす」のあいさつが、そこかしこで交わされる。そんな彼女たちの姿を逃すまいと、花街の至る所でアマチュアを含めたカメラマンが待ち構え、無数のシャッターを切る。それまでの静けさがうそのように、底冷えのする冬の京都の街がにわかに活気づく。

 《この不思議な町は、時代遅れといおうか、時代錯誤といおうか、相変らず十年一日のごとく、四季のけじめをつけ、季節感を生活の緯線にし、年中行事を経線にして祇園の生活は織りなされている》

 瀬戸内晴美(現・寂聴)さんが1971年から72年にかけ、京都の花街・祇園を舞台に連載した小説「京まんだら」に、こんな一節がある。

 さらに寂聴さんは、書く。

 《外にはどんな嵐が吹きあれて…

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