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倫理

 形式はおおむね昨年通り。日本思想分野の内容が難しく、難易度は難化した。

【難易度】難

【全体概観】

 大問4、小問36は昨年と同じ。形式面では大きな変化はなかったものの、一昨年に10題、昨年に4題あった8択形式の問題が今回は1題もなかった。その代わり、昨年は3題あった6択形式の問題が4題となっている。4択形式が増えた分、形式的には易しくなったと言えるだろう。ただ、内容面では、生殖技術や家族形態についてのやや難しい知識が問われたほか、日本思想分野で小林秀雄・丸山眞男・坂口安吾といった細かい知識が問われた。また、これまでに出題例のない会沢正志斎が吉田松陰と合わせて問われ、西田幾多郎についても無の場所という難しい論点が問われた。こうした内容的な難しさにより、平均点は昨年よりも下がると考えられる。

設問別分析

【第1問】青年期・現代社会分野

 例年と同様、青年期と現代社会分野からの出題が中心であった。リード文が会話形式という点も同様。生殖技術や家族形態についての設問ではやや細かい知識が必要になる。ステレオタイプの具体例が問われた問4は、2010年本試で類題が出ている。分野を横断する問7では、トルストイ、シュヴァイツァー、小林秀雄、坂口安吾、丸山眞男についての知識が必要になる。

【第2問】源流思想分野

 出題内容に目新しいものはないが、「ヒポクラテスの誓い」についての文章読解問題を除くと、古代ギリシア哲学からの出題が少なく、ユダヤ教・キリスト教についての選択肢を含む横断的な問1しかなかった。また、近年は各大問に組み合わせ問題が必ず含まれていたが、本問には組み合わせ問題がなく、すべて4択問題であった。

【第3問】日本思想分野

 全体概観でも触れたとおり、難しかった。吉田松陰と会沢正志斎が問われた問6や、西田幾多郎の無の場所について問われた問8は多くの受験生が苦しんだろうし、古神道についての問1や日本の美意識の問われた問4もやや難しい。問2も栄西と一遍について問うという珍しい問われ方であったし、問7では内村鑑三が日清戦争を肯定していたという点が言及され、判断に迷った受験生が多かっただろう。

【第4問】西洋近現代思想

 過去何度も出題されてきた論点を中心とする、比較的オーソドックスな出題であった。ただし、ヘーゲルの歴史観が問われた問4はやや難しかったであろう。

新高3生へのアドバイス

◆センター倫理は努力が報われる

 センター試験としては、皆さんが受験する2020年1月で最後となります。センター試験の倫理は決して易しくありません。思想の本質的な理解を問う問題、具体的事例を用いて考えさせる問題、現代社会の知識が問われる問題、図表や文章の読解問題など、出題形式もバラエティーに富んでいます。難解な現代思想分野からの出題も多いですので、きちんと対策をしないと高得点は難しいでしょう。ただし、重箱の隅をつつくような悪問は出題されません。ほとんどが教科書の範囲内から出題されますから、基本を押さえてきちんと学習すれば、確実に点をとることができるでしょう。倫理は努力が報われる科目なのです。努力が得点に直結します。1年間、それを信じて勉強に励んでください。

◆内容の深い理解を目指す

 センター試験倫理の特徴として、理解力の重視が挙げられます。まず、選択肢に書かれている内容が地歴・公民の他科目と比べてはるかに難しく、人名や用語についての単純な知識だけでは正誤判定のできない設問が多くなっています。つまり、思想内容についての本質的理解が問われているのです。したがって、単なる断片的知識ではなく、内容理解を深めていくことが求められているのです。

 そこで、内容を深く理解することを、つねに心がけて下さい。理解していない事柄については、正誤判定できません。そのためには、まず学校の教科書を腰をすえてじっくり読みましょう。それから用語集をこまめに引きながら、一つ一つの言葉の意味を確実に押さえてください。

◆問題演習で実戦を重ねる

 自分では理解しているつもりなのに、問題になると選択肢の正誤がうまく判定できないという受験生の声を毎年聞きます。センター試験倫理では、選択肢の文章をきちんと読んで解答することが求められているだけに、実戦演習が欠かせません。また、先に述べたとおり、バラエティーに富んだ出題形式という点からも、早い時期から問題に数多くあたり、実戦を積み重ねることが必要です。

 センター試験では、限られた時間内で正確に解答する力を求められます。全国統一高校生テストを含めて年間6回実施される東進のセンター試験本番レベル模試は、年間のカリキュラムでセンター試験と同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。定期的な受験により、自らの学習到達度を測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。

新高2生へのアドバイス

◆思考力重視の大学入学共通テスト倫理

 皆さんが受験する2021年1月から、大学入学共通テストが始まります。2018年に実施された試行調査では、思想の本質的な理解を問う問題、具体的事例を用いて考えさせる問題、現代社会の知識を問われる問題、文章や図表の読解問題と、出題形式もバラエティーに富んでいました。難解な現代思想分野からの出題も予想されますので、単なる暗記科目のつもりでいると、高得点は望めません。ただし、重箱の隅をつつくような悪問が出題されることは考えにくいので、基本事項をきちんと理解していれば確実に得点を重ねることができるでしょう。2年生のうちから教科書をじっくりと読んで、思想の大きな流れをつかんでおきましょう。

◆倫理は「私」について考える科目です

 倫理は、「青年期」「源流思想」「日本思想」「西洋近現代思想」「現代社会」の五つの分野からなります。「倫理」というと思想や宗教のことと思いがちですが、「青年期」「現代社会」から自我形成や社会的な諸問題なども出題されます。

 これは、〈今ここに生きる私〉を総合的に捉えてほしいというメッセージであると受け取れます。哲学も宗教が人生と深く関わっていることは言うまでもありません。「私とは何か」、「私たちの社会とはいかなるものか」、こういった問題について先哲たちは深く考察してきました。倫理には、単に試験科目であるというにとどまらず、大人になる前に考えてほしい内容が詰まっています。

 2年生のうちには、「倫理」を受験科目として意識しすぎないほうがいいでしょう。まだ自分でいろいろと考える習慣を身につけてほしい時期です。鷲田清一『じぶん・この不思議な存在』(講談社現代新書)・池田晶子『14歳からの哲学』(トランスビュー)といった、若者向けに書かれた本を読むことをお勧めします。そうしたことが土台となり、受験向けの勉強に必ず生きてきます。

 また、入試では限られた時間内で正確に解答する力を求められます。全国統一高校生テストを含めて年間6回実施される東進のセンター試験本番レベル模試は、年間のカリキュラムでセンター試験と同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。大学入学共通テストでも問われる知識を網羅していますので、定期的な受験により、自らの学習到達度を測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。(東進ハイスクール提供)

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