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 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法の施行から1年半を迎えるなか、名古屋市中区の東別院ホールで19日、小樽商科大名誉教授の荻野富士夫さんが「今を『戦前』にしないために」のテーマで講演した。県弁護士会が主催し、150人が参加した。

 日本近現代史が専門で『特高警察』(岩波新書)などの著作がある荻野さんは、「『戦争ができる国』の構築には、国家が抵抗する者を排除する仕組みが必要で、戦前は治安維持法などがその役割を担った。共謀罪にも内心を取り締まる面があり、さまざまなデモの規制などに使われる恐れがある」と指摘した。

 2015年には集団的自衛権の行使に道を開く安保法制が成立。領土問題などを巡り東アジアの国家間対立も深まっている。荻野さんは「国内では『愛国心』や『排外主義』の広まりも見られ、戦前と似た状況が生まれつつある。日本を再び戦争に向かわせないよう、息の長い運動への覚悟が必要だ」と述べた。