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(20日、卓球・全日本選手権男子シングルス決勝)

 史上最多10度目の全日本王者の称号を得た水谷隼。決勝後のあいさつを終えると、スタンドのファンのもとに駆け寄り、もみくちゃにされた。そして、場内インタビューで切り出した。「ここで勝って、この舞台を去りたい気持ちが強くて、また節目の10回ということで、来年は出場しないんじゃないかと思います」

 決勝進出は13年連続。抜群の安定感だが、いつも心は極限まですり減った。「毎日が苦しい」。5連覇していた2011年ごろまでは、大会期間中はご飯ものどを通らないほど。今も、おなかを壊す。それでも、試合開始の20分前には「絶対に負けない」とスイッチを入れ、コートに立っていた。

 昨年敗れた張本智和との再戦は、実現しなかった。「来年、再戦を見たいファンもいるのでは」と聞かれても「正直、僕じゃなくても他の選手が良い試合を繰り広げてくれる」と若手の成長を認めた。東京五輪後には、日本代表からも退くと明言した。(前田大輔)