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(20日、全国都道府県対抗男子駅伝)

 福島のアンカー相沢晃(東洋大)は「スタート前から考えていた」というように、胸元のゼッケンを誇らしげに見せてフィニッシュテープを切った。出迎えた仲間とハイタッチすると、笑顔で宙を舞った。

 相沢が2位でたすきを受けた時、トップとの差は25秒。正月の箱根駅伝では、東洋大を、4区区間新で往路優勝に導いた21歳にとっては「追いつける」確信があった。前回のこの大会は胃腸炎にかかって出られず、今年にかける思いは強かった。半ばを過ぎた7・5キロ付近で先頭の群馬をとらえると、抜き去る時に表情を確認。きつそうとみるや一気に突き放した。

 今年の福島は、出場選手の1万メートルまたは5000メートルの合計タイムが全国1位。相沢が「ぼくはおいしいところをいただくことができた」と話すように、仲間も懸命に役割を果たした。

 4区の横田俊吾(学法石川高)が「最低でも」と位置づけていた区間賞の走りを見せると、5区松山和希(同)は「ここで一度トップに立てばチームを勢いづけられる」と3位から1位へと押し上げた。

 7人のうち中学生をのぞいた5人全員が、学法石川高の現役かOBという団結力を生かした。安西秀幸監督は「福島の人が力強く生きているとアピールすることができたと思う」。東日本大震災からもうすぐ8年。前へと進むふるさとへ、この上ないメッセージを届けた。(藤田絢子)