数学Ⅱ

 大問4題の全問必答。分量は昨年と同程度、難易度はやや易化した。

【難易度】やや易

【全体概観】

 第1問は[1]が三角関数の問題、[2]が指数・対数の連立方程式の問題である。第2問は3次関数・2次関数のグラフに関する問題であり、基本的な計算問題。第3問は分点の計算や軌跡を求める問題。第4問は4次方程式の解と方程式の形を考える問題。全体として、分量は昨年とほぼ同程度だが、やや易化した。

設問別分析

【第1問】三角関数、指数関数・対数関数

[1](三角関数)

 三角関数の最大・最小、および方程式の解を求める問題。2倍角の公式、三角関数の合成により式を書き換える必要がある。標準的な出題である。

[2](指数関数・対数関数)

 連立方程式の解を求める問題。真数の条件、および底の変換、置き換えを必要とするが、誘導に従って計算すれば難しくない。

【第2問】微分法・積分法

 文字の定数を含む3次関数・2次関数のグラフに関する問題である。極値から係数を決定し、接線と曲線の囲む部分を問う内容で、よく出題されるテーマである。ただし、文字のままで計算する部分が多く、やや煩雑である。

【第3問】図形と方程式(選択問題)

 座標平面上の2定点を結ぶ線分に対して、内分点や外分点の計算や、2定点からの距離の比が一定であるような点の軌跡を求める。基本計算のみであり、丁寧に行えば容易である。

【第4問】複素数と方程式(選択問題)

 4次方程式の解についての問題であり、虚数解をもつ場合、もたない場合について考える。一部、グラフのイメージを利用すれば解きやすい問題もある。全体として標準的な内容である。

新高3生へのアドバイス

 センター試験数学Ⅱでは、数学Iよりも発展的な出題が多い一方、数学Ⅱでは、数学Iの学習を土台としているため、数学Iが未完成な状態では高得点を望めません。まだ不完全な人は、できるだけ早く数学Iの基礎を完璧なものにしましょう。そのうえで、数学Ⅱの基礎を固めていくことが、効率的な学習となり、総合的な数学の力を自分のものにしていくことにつながります。

 数学Ⅱのそれぞれの分野において、センター試験対策に重要なポイントは以下の通りです。

◆方程式・式と証明

 3次式の展開・因数分解、二項定理、整式の除法について、しっかりと理解しておく必要があります。特に整式の除法は、剰余の定理、因数定理の導出の基となるものなので、原理からしっかりと理解を深めましょう。

◆三角関数

 加法定理から派生する倍角公式などは丸暗記でなく、導出過程も含めて理解し、さらに実際に使いこなせるレベルまで達する必要があります。求めるものによって、適切な式変形が素早く出来るように、まずは加法定理を完全に理解しましょう。

◆指数・対数関数

 指数法則、およびそこから導かれる対数計算、底の変換の計算などがいかに正確に素早くできるかがポイントです。指数や対数の底の大きさによる大小の場合分けや、対数の真数条件などの基本事項を理解した上で、計算のスピードを上げる練習をしましょう。

◆図形と方程式

 座標平面上における2直線の平行条件・垂直条件や、点と直線の距離、円の方程式の求め方は必ず理解しましょう。また、領域における最大・最小問題は、文字のとり得る値や不等号の向きに注意して正しく図を描くことが重要になります。図から大小が容易に判断できない場合には、計算で比較を行うなど柔軟に対応できるようにしましょう。

◆微分法・積分法

 数学Ⅱにおいて、毎年ほぼ必出の積分による面積の計算は、最も多くの時間を要する部分になります。図を描くことで面積を求める際の領域を求め、積分計算を正確に素早く行う必要があります。面積を求める領域の把握が第一歩となるので、日ごろから面倒がらずに図を描く習慣を身につけましょう。

 物事を理解するとは、その道理や筋道がわかり、自ら考えることができるようになることです。解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理を理解してから先に進むような勉強を繰り返すことで、受験だけでなく、将来社会に出てからも役立つ本当の力をつけることができます。

 また、数学Ⅱの問題は、数学I以上に抽象的に考えさせる問題が多く、また計算量も多いため、時間が足りないと感じることも多いと思います。センター試験対策としては、限られた時間で正確に解けるように演習を繰り返すことが欠かせません。

 東進では全国統一高校生テストを含めて年6回実施される「センター試験本番レベル模試」があります。センター試験の傾向、自分の現在の力を知り、さらに不得意分野・弱点を明確にしてセンター試験対策の学習を進めていきましょう。

新高2生へのアドバイス

 2021年度からはじまる大学入学共通テストの数学Ⅱでは、授業風景や日常生活に関する対話形式の問題、および一つの問題に対して複数の方針で考える問題の出題が予想され、長い問題文から必要な情報を読み取って解き進める力、問題を深く考え考察する力が要求されます。自分自身の情報を読み取るスピードを把握し、与えられた情報を速く正確に読み取って解き進める力を身につけていく必要があります。そのためにも、まずはその土台となる数学I・Aと数学Ⅱ・Bの基礎・基本を確実に理解することが重要です。

 数学Iの基礎・基本を確実にした後、数学Ⅱのそれぞれの分野において、新高2生の今から身につけておくべきことは以下のとおりです。

◆方程式・式と証明

 まずは3次式の展開・因数分解、二項定理、整式の除法について、基本問題の演習を繰り返して解法を身につけておきましょう。また、因数定理や文字の置き換えを利用して高次方程式の解を求められるように演習を積んでおきましょう。

◆三角関数

 加法定理から派生する倍角公式などを丸暗記でなく、導出過程も含めて理解することが重要です。まずは加法定理を正確に覚え、他の公式が自由に導出できるように式変形する練習を積みましょう。

◆指数・対数関数

 指数法則、およびそこから導かれる対数の性質、底の変換などをまず理解しましょう。さらに、底の大きさによる増減、対数の真数条件なども押さえながら素早く正確に計算する習慣を身につけましょう。

◆図形と方程式

 座標平面上における2直線の平行条件・垂直条件や、点と直線の距離、円の方程式の求め方をまず理解しましょう。図を視覚的に捉える方法、数式で表現する方法の双方をしっかりと鍛えていきましょう。

◆微分法・積分法

 数学Ⅱにおいて、毎年出題される面積の積分計算は、最も多くの時間を要する部分です。まずは、面積を求める際の領域を正確に把握できるように、グラフを正確に描く習慣を身につけましょう。

 入試レベルの問題に取り組むために、まず今すべきことは数学Iを完璧にすることと基本を確実に身につけることです。教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題レベルへと、少しずつステップアップして学習することが、実力を高める一番の近道です。同時に「計算を最後までやり抜く」「図やグラフを描いて考える」といった基本的なことを一つ一つ確実に積み重ねることによって、しっかりとした基礎力を高2の時点から養成していきましょう。

 物事を理解するとは、その道理や筋道がわかり、自ら考えることができるようになることです。解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理をきちんと理解してから先に進むような勉強を繰り返すことで、受験だけでなく、将来社会に出てからも役立つ本当の力を身につけることができます。

 東進では高2生向けに大学入学共通テストに対応した「全国統一高校生テスト(高2生部門)」をはじめ、「高校レベル記述模試」「大学合格基礎力判定テスト」などを用意しています。自分の現在の力を知り、さらに不得意分野、弱点を明確にして本格的な大学受験対策に向けて大いに役立ててください。そのためにも、模試は毎回欠かさず受験するようにしましょう。

 なお、「大学入学共通テスト」には新しい形式が含まれますが、これまでのセンター試験と同じく正解選択肢を早く正確に選ぶ訓練は「大学入学共通テスト」でも不可欠です。自信のある人は「全国統一高校生テスト(高2部門)」に加えて、偶数月に実施される、受験学年と同じ「センター試験本番レベル模試」も受験しましょう。真剣に問題に取り組む時間は、学力を伸ばす絶好の機会です。(東進ハイスクール提供)

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