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地学

 各分野について基礎的な知識を問う標準的問題が大半で、難易度は昨年並み。第1問の地球物理分野が中問4から2に、小問8問から5問に減。第2問の地質・岩石分野と、第4問の宇宙分野が5問から8問に増。第3問気象分野が中問3、小問8から中問2、小問5に減。天文分野の小問数が5から8に増加した。

 地質図は必答問題で標準的。計算問題は4問すべて標準的問題で容易であった。選択問題は重力とケイ酸塩鉱物の結晶構造、水の循環と海洋の構造でともに標準的出題であった。

【難易度】昨年並み

【全体概観】

 出題分野、大問数と大問の分野は昨年、一昨年と同じだが、中問数が少なくなった。

 基本的事項の知識問題が大半で、グラフや図もわかりやすいものである。教科書の基本事項を丹念に学習することと標準レベルの問題を多く演習することが高得点につながる出題である。難問はなかった。

 第1問は地球の自転と内部構造(計算)、地震と断層(計算)についての基本的出題であった。第2問は地質調査と地質図、地球の歴史と化石、日本列島の付加体、火成岩と変成岩、地質・岩石分野の総合的出題であった。第3問は惑星の大気と海流についての基本的な出題であった。第4問は恒星の進化についての総合的知識を問う出題と銀河系と銀河についての基本的出題(計算)。第5問(選択)は重力とケイ酸塩鉱物についての基本的な理解を問う出題。第6問(選択)は水の循環と海洋の構造についての基本的な理解を問う出題。

設問別分析

【第1問】地球の自転と内部構造、地震と断層

 問1は地球の自転の向きと周期で基礎的。問2は地球の内部温度で中心部の温度とマントルと外核の温度について基礎的な理解を確認する出題。問3は全磁力、水平分力、伏角の関係についての計算問題。問4は横ずれ断層の初動分布から断層の動きを求め、圧縮力の方向を求める応用的な問題。問5は断層のずれの累積量から断層の活動時代を求める計算問題で標準的。

【第2問】地質と岩石

 問1は地層の走向・傾斜と地形図の関係について基本的作図の出題。問2は地層の対比の問題で容易。問3は示準化石と堆積(たいせき)構造の融合問題だが容易。問4は古生代末と中生代末の大量絶滅についての知識。基本的な出題。問5は日本列島の付加体についての知識を問う。問6は接触変成岩についての理解を問う出題。問7は深成岩の鉱物組成から岩石名を問い、鉱物の自形―他形の関係から晶出順序を考察する基礎的問題。問8は放射年代についての基礎的知識問題。

【第3問】大気と海洋

 問1は惑星の大気についての基礎的問題。容易。問2は地球の大気圏の構造についての基礎的知識。問3は金星と火星の大気の構造について、グラフを読む力を問う出題。問4は地衡流についての理解を問う出題。問5は黒潮についての基本的な出題。

【第4問】宇宙

 問1は太陽系と主系列星についての基礎的な問題。問2は主系列星の性質とその進化についての基本知識の確認。問3は超新星爆発についての知識を確認する出題。基礎的。問4は主系列星の半径とHR図の関係の知識を問う出題。問5はブラックホールについての知識問題。問6は銀河回転についての計算問題だが、太陽系の公転周期を知っていれば計算しなくても解答できる。問7はダークマターについての出題。問8は銀河と宇宙についての総合問題。

【第5問】(選択問題)地球

 問1はジオイドについての基礎的知識。問2は重力についての基礎的知識を問う。容易。問3はケイ酸塩鉱物の構造と固溶体についての知識問題。問4はSi(ケイ素)とO(酸素)の作る四面体と造岩鉱物の結晶構造についての知識を問う問題。

【第6問】(選択問題)水の循環と海洋

 問1は水の循環の収支の計算。問2は陸水についての知識を問う出題。問3は海洋の塩分の違いについての基礎的知識を問う。問4は海洋の層構造についての知識を問う基本的な出題。

新高3生へのアドバイス

◆センター試験「地学」の特徴を知ろう

 皆さんの受験される2020年1月のセンター試験が、最後の実施となります。センター試験「地学」がどのようなものか、まずは今回のセンター試験「地学」についてその出題形式と内容を確認するために、問題に挑戦してみましょう。「地学基礎」についても同様に挑戦してみて、「地学」と「地学基礎」の違いを確認しておきましょう。「地学基礎」は学習したけれど「地学」の学習はこれからという人も多いでしょうが、まずは「地学」がどのようなものか、「地学基礎」とどう違うか、体験しておくことです。

 センター試験の出題範囲は教科書に限られています。センター試験で高得点を得るためには、「教科書」→「問題演習」→「教科書」という流れの学習方法を徹底して、教科書を徹底理解することが大切です。特に、昨年・今年と基礎事項の正確な理解と応用力が問われる出題になっています。まず、教科書の通読から始めましょう。すでに授業を受けている場合も、あらためて教科書を通読しましょう。はじめは、理解しようとか暗記しようとか考えずに、地学の内容、全体像を概観・把握することが大事です。地学は地球物理、プレートテクトニクス、岩石・鉱物、地質・地史、気象、天文、自然環境と範囲が多岐にわたっています。これらについてどんなことを学ぶのか、どのような図表やグラフがあるのか、大体のイメージを最初に作っておくことがその後の学習に役立ちます。

◆教科書の徹底学習を

 教科書を通読したら、今度はできるだけ丁寧に教科書を読んでいきます。このときに大事なことは暗記することでなく、地学の各分野それぞれの論理の展開を把握することです。どのような観測や観察、実験がされて、そこからどのような考察がされているのか、また、どのような物理法則が用いられているか、を理解しましょう。そのために、図・表・グラフを正確に読む力をつけていきましょう。教科書の図やグラフはセンター試験に繰り返し出題されています。図やグラフを正確に読むためにはそれを自分でノートに書いてみることが大切です。書いてみると、見ているだけでは分からなかったポイントが見えてくるはずです。

◆模試を活用しよう

 「地学」には十分な過去問がありません。以前の地学Iとは範囲も内容もかなり違っています。ですから、早くから多くの模試を受けることが学習を進めるうえで重要になります。2カ月ごとに実施される東進のセンター試験本番レベル模試は年6回で地学の出題範囲をすべてカバーしていますから、学習の進み方と学習の不足点を判定できるとてもよい機会になります。2月からの受験にぜひチャレンジしてみてください。

新高2生へのアドバイス

◆大学入学共通テストとセンター試験

 2021年1月に、これまでのセンター試験にかわって大学入学共通テストが実施されます。試行テストを見る限り、現在のセンター試験と大きく変わることはないようです。そこで、まずは今回のセンター試験「地学」についてその出題形式と内容を確認しましょう。「地学」の学習はこれからという人がほとんどでしょうが、まずはセンター試験「地学」がどのようなものか理解しておくことです。今回のセンター試験について、大問数と各大問の分野、小問数、出題形式、選択肢の数など、その形式をチェックしましょう。また、すでに「地学基礎」を学習している人は、今回の問題に挑戦して、「地学基礎」と「地学」の違いを確認してみましょう。

◆教科書の徹底理解を

 センター試験の出題範囲は教科書の範囲に限られています。これは大学入学共通テストでも変わりません。ですから、教科書の徹底理解が高得点の鍵です。教科書の徹底理解には「教科書」→「問題演習」→「教科書」という流れの学習を徹底することです。そのために、まず、教科書を通読することから始めましょう。「地学基礎」の教科書の通読から始めましょう。通読することで地学学習の全体像を把握することが大事なのです。「地学基礎」の教科書には「発展」や「参考」のページが多くあります。これはどれも「地学基礎」の範囲外ですが「地学」で扱う大事な内容ですのできちんと読むようにしてください。

 地学は地球物理、プレートテクトニクス、岩石・鉱物、地質・地史、気象・海洋、天文と分野が多岐にわたっていて、それぞれの分野ごとに探究する方法や論理があります。それぞれの分野でどのような観察や観測が行われるか、観察や観測からどのようなことが導かれるか、「地学基礎」の教科書の図とグラフをできるだけ丁寧に読み、「探究活動」・「実験・観察」を丁寧に読んでそれを把握するようにしてください。大学入学共通テストの試行テストではいくつかの分野を総合した出題が見られ、また、問題文が長文になる傾向があるようです。このような傾向に対応するためにも教科書を丁寧に読むことが大事になります。

◆これからの学習について

 地学は暗記科目だと言われることがありますが、それは大変な誤解です。大学入学共通テストやセンター試験で問われるのは論理的な思考力・判断力と総合的な理解力です。高得点を得るためには暗記に頼らない学習を心がけて下さい。

 学習を効果あるものにするために模試に早くからチャレンジしてみましょう。早くから模試を受けていくことは教科書の理解をより深めることになります。結果に一喜一憂することなく、模試を受けたら解説をしっかり読み、教科書に戻ってその内容を確認していきましょう。2カ月ごとに行われる東進のセンター試験本番レベル模試はそのための良い機会になります。まだ早いと思わないでチャレンジしてみましょう。(東進ハイスクール提供)

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