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 1989年1月8日から始まった元号「平成」の選定過程を記録した政府の公文書が、非開示にできる30年間の保存期間を過ぎる今年も公開されず、2044年まで非開示にできる状態になっていることが分かった。元号の考案者などが記されている可能性がある文書だが、内閣府は公文書管理法が定める保存期間の延長手続きをとらずに独自に処理していた。

 政府の歴史的な公文書は、保存期間が過ぎると国立公文書館に移管される。保存期間中に情報公開請求を受けた平成の選定過程が分かる記録について、内閣府は「将来の元号選定事務に支障を来す恐れがある」として、これまでは非開示としてきたが、移管後は原則公開のため、今年公開される可能性があった。

 ところが内閣府は、平成改元の記録の管理主体を2013年に内閣官房から移し、改元当時の複数の文書をまとめ直した際に、「新たに文書を取得した」と位置づけて保存期間の起算点を14年4月1日にしたという。公文書管理法上、保存期間を延長する場合は期間と理由を首相に報告することが必要だが、その手続きはとっていなかった。

 この結果、平成改元について政府が記録した内容は、改元から50年以上過ぎても非開示にできる状況になった。菅義偉官房長官は21日の記者会見で「個別の文書や現在の行政ファイル、これを作成した時点の状況をよく確認するよう事務方に指示した」と述べ、経緯を調査する考えを示した。