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(21日、サッカー・アジア杯 日本1―0サウジアラビア)

 じれずに試合を進め、相手のスキを逃さず突く。森保監督の真骨頂ともいえる手堅さを、日本が見事に体現した。

 相手のボール保持率は76・3%にものぼった。ただ、日本の選手に焦りはなかった。自陣で守りを固め、危うい場面はほとんどなかった。MF遠藤は「(日本の守備網の)前で球を持たれる分には大丈夫。そう割り切っていた」と語った。

 自陣に押し込められても、得点への道筋は見えていた。相手の最終ラインにはスキがある。特にセットプレー。先取点もこの日1本目のCKからだった。

 前半20分、MF柴崎から送られたのは山なりのボール。落下点に入ったDF冨安は、相手の前に入ろうとして足を止めた。「マークが緩く、ずれやすい」と見抜いたのだ。狙い通り、球だけをみていた相手は背後に方向転換した冨安を見失っていた。悠々と頭で合わせ、ゴールへ流し込んだ。

 負けたら終わりの決勝Tへ、ベテラン長友が言っていた。「このプレッシャーを背負ってどんなプレーができるか。パーソナリティーも含め、その選手のレベルが見える」と。

 その1戦目。20歳の冨安はゴールを決めただけでなく、最終ラインでも安定感をみせた。25歳の遠藤にしても、的確な位置取りでピンチの芽を摘み続けた。代表経験の浅い選手たちがみせた、心憎いまでのしたたかさ。成長が楽しみなチームの戦いが続く。(藤木健