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 中国・南方科技大の賀建奎副教授が人間の受精卵のゲノム編集を行って双子の女児を誕生させたことを、広東省政府の調査チームが認めた。ゲノム編集は狙った遺伝子を改変することができる技術だ。安全性が確立されておらず、親が望む容姿や能力を持つ「デザイナーベビー」を作り出すことに応用されかねないとして懸念されている。

 賀氏はエイズウイルス(HIV)に感染しにくくするために受精卵のゲノム編集を行い、双子の女児を誕生させた。賀氏によると、研究に参加したカップルの精子と卵子を体外受精させ、遺伝子を改変した受精卵を女性の子宮に戻して妊娠、出産させたという。

 だが、想定外の健康被害が起きる可能性がある。北海道大の石井哲也教授(生命倫理)は「安全性が確認されていない実験的な方法を行ったことは、生まれた子の人権に関わる問題だ」と批判する。狙いとは別の遺伝子に問題がないかを調べる方法も確立されていない。健康上の問題がない子どもを出産できるほど、信頼できる技術ではない。

 米科学アカデミーなどは2017年、安全性を確保したとしても、能力や容姿を操作する目的での遺伝子改変は認めない報告書を公表。貧富の差が社会的な格差を一層広げかねないなどとしている。

 人為的に改変された遺伝子は子や孫にも受け継がれる。ゲノム編集された動物や植物は、安全性や自然界への悪影響がないかを確認されるまで隔離され、管理された空間の中で育てられている。

 石井教授は「子どもの健康影響を長期的にフォローすることが大切だが、実際には難しい。ゲノム編集された女児が子どもを産むことを禁じることも人権侵害にあたる」と話す。

 また、人間の受精卵のゲノム編…

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