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小野善康・大阪大特任教授

 安倍晋三首相は「経済の好循環」や「トリクルダウン」という言葉をよく口にする。経済の一部が潤えば、全体に波及するというものだ。果たしてそうか。

 トリクルダウンには生産面と需要面の二つが考えられる。生産面では、能力ある者が事業に成功して生産活動を拡大すれば、雇用も拡大すると言う。需要面では、能力のある高所得者がさらに稼げば消費を増やすから、経済が活性化して一般庶民も潤うと考えている。いずれも大企業や富裕層を優遇する根拠に使われる。

 生産面から考えてみよう。企業が業績を伸ばすのには二つのやり方がある。これまでなかった新製品を開発することと、コストを削減して収益率を上げることだ。

 前者は市場を拡大し雇用を増や…

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