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 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアの空港で殺害された事件は、発生から間もなく2年を迎える。実行役2人の公判や捜査関係者への取材から、さまざまな事実が明らかになってきた。(クアラルンプール=乗京真知)

 2017年2月13日午前9時前。空港の監視カメラは出発ホールの正男氏を映していた。黒い旅行バッグを右肩にかけ、ゆったり歩く。出国ゲートまで残り40メートルの距離だ。

 見知らぬ女性2人が近づく。やにわに正男氏の顔に手を伸ばし、液体を塗る。正男氏は体をねじり、2人を振り払う。

 正男氏はしばらく立ち尽くした。近くの警察官に相談する。「何かを塗られた」「女は2人だった」。付き添われて階下の診療所に向かう。歩調が乱れ始め、警察官に「ゆっくり歩いてください」と頼んだ。

 診療所に着いたのは襲撃の11分後。「顔が痛い」と訴え、へたり込む。口から血や泡を吹き、意識を失う。白目をむき、涙や唾液(だえき)が止まらない――。医師らの証言だ。

 心臓の動きが弱まり、血流が滞る。血中の酸素量の目安となる「酸素飽和度」が絶命寸前の値に落ちる。医師が口内の血へどを取り除き、酸素を送る管を通すと、のどの奥から胃酸の臭いが逆流してきた。

 1時間後、手詰まりの医師らは…

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