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 性的少数者で、生まれた時の体と心の性別が一致しない「トランスジェンダー」の人たちの米軍への入隊を禁じたトランプ政権の措置について、米連邦最高裁判所は22日、禁止を認める決定を出した。連邦控訴裁などの審理が終わるまでの一時的な措置だが、最高裁に持ち込まれた場合、容認される可能性が高まった。

 決定は、9人いる最高裁判事のうちリベラル系4人が反対したが、トランプ氏が指名した2人を含む保守系5人が支持した。

 米軍へのトランスジェンダーの入隊をめぐってはオバマ前政権が2016年に受け入れ方針を決定。一方、翌年夏、トランプ氏は「米軍は圧倒的な勝利のために集中しなければならず、トランスジェンダーの受け入れに伴う医学的コストや混乱の負担は受け入れられない」などと禁止の方針を打ち出し、無期限に入隊を禁ずる指示を出した。

 これに対しトランスジェンダーの当事者や支援団体から訴訟が起こされ、昨秋にワシントンの連邦地裁が違憲と認め、一時差し止めを命じていた。同様の裁判はカリフォルニア州の連邦控訴裁などで続いている。

 連邦地裁の判断を受け、米軍はすでにトランスジェンダーを受け入れている。2016年時点で、米軍の1%、約9千人がトランスジェンダーと推計されるという。訴訟に関わるトランスジェンダーの支援団体「ヒューマンライツ・キャンペーン」は「今回の決定は、トランスジェンダーのキャリアと任務を犠牲にして、政権の差別的な公約を軍隊に持ち込むものだ」と批判している。(ワシントン=香取啓介)