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 南米大陸最高峰アコンカグア(標高6961メートル)の登頂を断念したプロスキーヤー三浦雄一郎さん(86)は、標高約700メートルの都市、メンドサのホテルで、登頂を果たした次男の豪太さんら、他の遠征隊メンバーの下山を待っている。三浦さんと一緒に下山したチームドクター大城和恵さん(51)が現地時間の22日、一足先に遠征隊を離れてアルゼンチンを出国し、日本に向かった。

 この日朝、滞在先のホテルのレストランで、大城さんは三浦さんの血圧を測った。今月初旬のアルゼンチン入り以来、宿泊先やテント内で毎日繰り返してきた光景だ。心臓に持病の抱える三浦さんの登山では欠かせないことだったが、この遠征では最後の機会となった。

 国際山岳医の資格を持つ大城さんは20日、三浦さんの登山を「ドクターストップ」という重い決断をした。三浦さんは「納得はいかない」と心の中では考えながらも、大城さんと次男豪太さん(49)の必死の説得を受け入れた。二人の行動については「あれほど僕のことを大事に思って、そして支えてくれた。ありがたい感謝の気持ちだ」と語り、遠征の思い出の一つに挙げる。

 そして、転んでもただでは起きない三浦さん。早くも「90歳でエベレスト」という目標を宣言した。すると、大城さんは測定にあわせて「4年後にエベレストに行くなら薬を飲みましょうね」。実は医者や薬が得意ではない三浦さんの手にしっかりと錠剤を渡した。(金子元希)