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 2018年の貿易統計(速報、通関ベース)で、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆2033億円の赤字となった。赤字は3年ぶり。通年では原油高による輸入額増加の影響が大きいが、年後半は自然災害に加え、米国と中国の貿易摩擦で中国経済が低迷したため輸出が急減速しており、景気の先行きの不透明感を示す内容となった。

 財務省が23日発表した。輸出額は前年比4・1%増の81兆4866億円。2年連続で増え、リーマン・ショック後初めて80兆円を超え、過去2番目の高水準だった。中東向けの自動車や中国向け車両用エンジンなどが好調で、中国や中国を含むアジア向けの輸出は過去最大だった。

 ただ上半期の輸出額が前年同期比6・2%増だったのに対し、米中貿易摩擦の影響が強まった下半期は2・1%増に減速。特に12月の輸出額は前年同月比3・8%減の7兆240億円と、3カ月ぶりに減少に転じた。中国向けの半導体等製造装置が34・3%減、携帯電話部品などの通信機が67・1%減と大きく落ち込み、米国向けの自動車や鉄鋼も軒並み減少。12月単月の貿易収支は553億円の赤字だった。

 18年の輸入額は前年比9・7%増の82兆6899億円。原油の輸入価格が32・2%上昇し、原油や液化天然ガスなどエネルギー関連の輸入額が膨らんだ。足元では原油価格は下がる傾向にあり、今後は輸入額は減る可能性が高い。

 トランプ米大統領が問題視する対米貿易黒字は同8・1%減の6兆4548億円で、黒字幅は2年ぶりに減った。自動車や自動車部品の輸出が減った一方、原油や航空機の輸入が増えた。(笠井哲也)