「あまりにお粗末だ」不正統計の中間報告、与野党が批判
「毎月勤労統計」の不正調査問題をめぐり、与野党は23日午前の会合で、厚生労働省が検証のために設置した外部有識者による特別監察委員会の中間報告書について議論した。不正調査の経緯や動機、組織的な関与や隠蔽(いんぺい)などについて事実解明は不十分だとする批判が相次いだ。
菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で「(中間報告書で)言語道断だとの指摘をいただいた。このような事態を招いたことについて心からおわびしたい」と謝罪。「(報告書の)方向性を踏まえ、厚労省において具体的な再発防止策の検討、実施に取り組む必要がある」と強調した。
自民、公明両党の幹事長と国会対策委員長は都内で会談し、不正調査の影響による雇用保険などの追加給付を早急に行うことを確認。公明の高木陽介国対委員長は会談後、「中間報告では誰がどのような意図で(不正を)やったのかは明らかになっていない」と記者団に語った。
公明党の厚労部会では、高木美智代部会長が「政治、行政への信頼が地に落ちている」と述べた。出席者の一人は、中間報告書で組織的な関与や隠蔽を認めていないことについて「そうとは言い切れない」と指摘。さらに「国民が知りたいのは不正の動機なのに検証が足りない。あまりにお粗末だ」と批判した。
野党6党派の国対委員長は国会内で会談し、不正調査について衆院予算委員会の集中審議が必要だとの認識で一致。その後、立憲民主の辻元清美国対委員長が自民の森山裕国対委員長と会談し、29日の集中審議を求めた。辻元氏は歴代の厚労相や厚労省職員らの参考人招致を含め、国会で徹底的に真相究明する考えを示している。
立憲民主党の厚労部会では、石橋通宏部会長が「(中間報告は)合理的な材料もなく、組織的隠蔽はなかったと結論付けている。これで国民の信頼、納得を得られるのか」と発言。24日の衆参厚労委員会の閉会中審査に向け、厚労省に速やかな関連資料の開示を求めた。
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