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 堺市南区で昨年7月、大型バイクに「あおり運転」をした末に車で追突し、バイクの男性を死亡させたとして殺人罪に問われた元警備員の中村精寛(あきひろ)被告(40)に対する裁判員裁判の判決が25日、大阪地裁堺支部であった。安永武央裁判長は殺人罪を適用し、懲役16年(求刑懲役18年)を言い渡した。

 起訴内容は昨年7月2日夜に車を運転中、大学4年の高田拓海さん(当時22)=堺市西区=運転の大型バイクに車の前方に入られたことに立腹。高田さんを死亡させるかもしれないと認識しつつ、故意にバイクに衝突したというもの。公判では被告の殺意が争点となったが、判決は殺意を認定した。

 検察側は論告で、被告が車を加速させて猛スピードでバイクを追跡し、回避を試みずに衝突したとして殺意は明らかだと主張。「まれにみる殺人運転」で「あおり運転や交通トラブルが後を絶たない現状の中で、厳しい処罰を社会が求めている」としていた。

 一方、弁護側は被告が高田さんの運転に腹を立てたことはないとして、あおり運転を否定。追突についても「衝突の1秒前にバイクに気づいてブレーキをかけたが、間に合わずに衝突した」として過失による事故だったと主張し、殺意を否定していた。

 あおり運転をめぐっては、東名高速で2017年6月、あおり運転で停車させられたワゴン車の夫婦がトラックに追突されて死亡した事故で、横浜地裁が昨年12月に自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)罪の成立を認め、あおり運転をした被告に懲役18年の判決を言い渡した。(坂東慎一郎)