国内最大級の食品リサイクル工場、社長らに汚水排出容疑
排水基準を超える汚水を海に流したとして、愛知県警は24日、国内最大級の処理能力をもつ食品リサイクル工場「バイオプラザなごや」(名古屋市港区)の運営会社「熊本清掃社」(本社・熊本市)の社長ら2人を水質汚濁防止法違反の疑いで逮捕し、発表した。同社はごみの運搬手続きなどで優遇される、国の「再生利用事業者」(全国約170社)に登録されている。
逮捕されたのは、社長の村平光士郎(46)=名古屋市熱田区神宮2丁目=、工場責任者の都築勇太(34)=愛知県東海市東海町3丁目=の両容疑者。逮捕容疑について、村平容疑者は「違法な排水を指示していません」と否認し、都築容疑者は認めているという。
県警によると、2人は共謀し昨年9~11月、5回にわたり汚れの指標となるCOD(化学的酸素要求量)など複数の項目で基準値を超える汚水を、工場の排水口から名古屋港に排出した疑いがある。
環境省によると、汚水による海への影響は、地理的条件が左右する部分も大きいが、富栄養化の原因となり、ひどい場合は赤潮やアオコが発生する恐れがあるという。
熊本清掃社は2017年度、先進的なリサイクル関係施設の整備を支援する愛知県の「循環型社会形成推進事業費補助金」に採択されている。名古屋と熊本に工場があり、廃棄された食品から肥料を作るリサイクル事業などを展開。ホームページによると「バイオプラザなごや」の1日の処理能力は326トンで、「国内の食品リサイクル施設では最大級の能力」(農林水産省)という。
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