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 住友重機械工業は24日、同社や子会社3社で、「動く歩道」の定期検査やスキー場のリフトの減速機の保守作業の数値を改ざんするなどの不正があったと発表した。現時点でトラブルはないが、不正な製品やサービスを納入した顧客は29社288件にのぼり、さらに増える可能性もある。

 不正があったのは、住友重機械(東京都品川区)製で、半導体製造ラインで使われる機械の一つ「封止プレス」▽住友重機械搬送システム(東京都港区)製で、駅や公共施設向けの「動く歩道」▽住友重機械ギヤボックス(大阪府貝塚市)製で、ゴミ処理場などの発電設備向けの大型減速機▽住友重機械精機販売(東京都品川区)が担っている、スキー場のリフトなど向けの減速機のオーバーホール作業。

 動く歩道では、資格のない従業員が検査をしたり、別の従業員の氏名を検査報告書に記入したりしていた。減速機の作業では、社内の基準値から外れた実測値を、基準内に書き換えて検査成績書をつくっていたほか、検査をせずにウソの数字を検査成績書に記入したケースもあった。

 24日、都内で会見した住友重機械の別川(べつかわ)俊介社長は、別の複数の子会社で昨年、同様の不正が相次いで発覚したため、グループ全体の品質管理体制を調べたところ、不正が見つかったと説明した。今回の調査は2013~18年分が対象で、今後、過去にさかのぼって調べるが、「不正の件数はかなり増える可能性もある」(森田裕生常務執行役員)という。

 別川氏は不正の背景について、「不適切な検査を通してしまう仕組みや品質監査の不備、現場任せだったり人事が固定化したりしていた」と述べ謝罪したが、引責辞任は否定した。

 同社は15日付で、社外取締役を委員長にした特別調査委員会を立ち上げた。3月末をめどに原因解明や再発防止策、経営陣の責任の有無をまとめる。(上地兼太郎)