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エネルギーを語ろう

 太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーが大きく増えてきたため、電気を送る送電線に「空き容量がない」などの問題が出てきています。どう対応するべきなのでしょうか。欧米の電力システム改革に詳しい内藤克彦・京都大学特任教授に聞きました。

欧州で「脱・資源争奪戦」の潮流

 ――昨年、出版された「欧米の電力システム改革」で、欧米の改革の経緯や送電管理の実態を紹介していますが、著書のサブタイトルに「基本となる哲学」と付けたのはなぜですか?

 「欧米の改革の『真意』を伝えたかったのです。欧州連合(EU)が再エネに力を入れるのは、エネルギー資源の争奪戦からのパラダイムシフト(大転換)を図るものです。近代の戦争の多くはエネルギー資源が原因でした。他方、英国やノルウェーなどの海域にある北海油田は減衰していきます。ドイツの自国資源は石炭ぐらいしかない。EU全体でみても、ロシアや中東からの資源輸入で毎年、数十兆円を払っている。そんななかで国内資源である再エネが使えるようになったのだから使わない手はないと、エネルギー安全保障の面から再エネに舵(かじ)を切ったのです。関連する技術革新などでEU経済にも寄与するということも狙っています」

 ――EUに関しては、2009年のラクイラ・サミットを契機に動きが加速したとも指摘されています。先進国が2050年までに温室効果ガスを80%削減すると決めた時ですね。

 「はい、サミットとほぼ時を同じくして、EUは独自目標として20年までに再エネの比率を20%にすると打ち出しました。具体策としてFIT(固定価格買い取り制度)が知られていますが、実は送電管理の改革や送電線の増強を進めるEU指令も出しています。風力発電や太陽光発電の適地は概して地方です。EU域内でも偏りがある。だからこそ、国を越え、広域で電力を融通・管理することが大事だ、と考えたからです」

米 競争はフェアに 電線は「公道」に

 ――米国の電力システム改革は90年代後半から本格化しました。

 「米国では当時、技術革新によ…

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