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 日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(64)が東京地検特捜部に逮捕されて2カ月余。ゴーン被告を経営トップの座にとどめてきた仏ルノーが、ついにカリスマ経営者に見切りをつけた。世界販売が年間1千万台を超す巨大自動車グループを束ねてきた「ゴーン支配」は終焉(しゅうえん)を迎え、グループの主導権を巡る日産とルノーの攻防は第2幕に移る。

 特捜部に逮捕される直前の昨年11月上旬、仏北部にあるルノーのモブージュ工場にゴーン被告の姿があった。マクロン仏大統領に同行して工場を案内したゴーン被告は約560億円を投資し、この工場で日産の新型商用車を生産すると発表。マクロン氏の前で、200人の新規雇用を生み出すとアピールした。

 低支持率や高い失業率にあえぐマクロン政権にとって、日産、三菱自動車との3社連合を束ねる扇の要の役割を果たし、自国の経済や雇用を支えてきたゴーン被告の存在は大きい。ルノーはフランスの元国営企業。いまも15%を出資する筆頭株主の仏政府は逮捕から約2カ月にわたり、「仏国内ではゴーン氏の納税に不正な点は見当たらない」「推定無罪の原則が働く」(ルメール経済・財務相)などとしてゴーン被告を擁護し、会長兼最高経営責任者(CEO)の職にとどめるルノーの判断を支持してきた。

 だが、昨年12月以降、潮目が変わり始めた。日本の司法制度を批判する論調が中心だった仏メディアの報道が次第に変化。日産からゴーン被告の姉への不透明な報酬、ルノーの経営陣が「隠し報酬」を受け取っていた疑惑や、ゴーン被告が税法上の居住地をオランダに置いて税逃れをしていた疑いなどを報じるようになり、仏国内の世論の風向きも変わった。今月14日には仏紙ルモンドが社説でゴーン被告の解任を促した。

 企業の成長を重視するマクロン氏は、庶民から遠い「金持ちの味方」と批判されてきた。燃料税を引き上げる方針に抗議するジレジョーヌ(黄色いベスト)運動も仏全土に広がる。

 勾留が長期化し、ルノーの経営トップの業務を果たせない状況が続く中、富裕層の象徴的な存在のゴーン被告を擁護し続けることは困難になっていた。仏政府はカリスマ経営者に見切りをつけ、ルノーに退任を促さざるを得なくなった。ルノー側にも、解任ではなく辞任なら「ゴーン氏を辱めなくても済む」(仏経済紙レゼコー)との判断が働いたとみられる。

3社連合の行方は

 ゴーン被告の解任を促そうと、社内調査で把握した不正の詳細をルノー側に伝えてきた日産にとって、ゴーン被告の「完全失脚」は思惑通りの展開だ。しかし、今後の3社連合の統治の行方は視界不良だ。

 ルノーの体制刷新を受けて日産…

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