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 福岡市博物館(同市早良区)が、所蔵する国宝の日本刀「圧切長谷部(へしきりはせべ)」の裏側の展示を始めた。「刀を隅々まで見たい」という要望を受けた同館初の企画。通常は目にすることができない名刀の一面を見ようと、「刀剣女子」と呼ばれる刀剣ファンの女性らが熱い視線を送っている。

 圧切長谷部は、織田信長が黒田官兵衛に与えたとされる刀。年始の公開は同館の恒例行事だが、今回は22日から向きを裏返し、刀を腰に付けたとき内側になる「差裏(さしうら)」と呼ばれる面を見せている。表とは異なる刀の模様や、根元に刻まれた「長谷部」という文字が見られるなど好評で、ネットでも話題となっている。

 年始の公開に訪れる女性客は、刀剣を擬人化したオンラインゲーム「刀剣乱舞」が始まった影響で近年急増。刀剣ブームに火がつき、差裏の展示を求める声が高まっていた。当初「お尻を見せるようなもの」と消極的だった同館学芸課の堀本一繁さんも、要望を受け入れ、展示を決めた。

 圧切長谷部の前には、25日も「刀剣女子」らが列をなしていた。友人らと3人で訪れた福岡市南区の会社員鶴圭織さん(23)は3度目の鑑賞。「次いつ見られるかわからないので。差裏を見ると、より刀のリアリティーが感じられて満足です」と話した。

 今回の公開は2月3日まで。一般200円、高大生150円、中学生以下無料。9月7日からの特別展「もののふの美の系譜」でも期間中に裏返す予定だ。(宮野拓也)