【スライドショー】テニスの全豪オープンで優勝した大坂なおみ選手の戦いを振り返る
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 天真らんまんな言動と成長した心――。テニスの大坂なおみ選手(21)が全豪オープンを制し、世界の頂点に駆け上がった。相手に流れが傾きかけても落ち着きを失わず、つかんだ優勝トロフィー。固唾(かたず)をのんで熱戦を見守ったファンらが、快挙を祝った。

 「おめでとう!」「やった!」。約70人の客で埋まった東京・銀座のスポーツバー「B(ビー) ONE(ワン)」。歓喜の瞬間、全豪オープン初優勝と世界ランキング1位を祝福する声が上がり、至るところでハイタッチが繰り返された。

 試合序盤は遠慮気味だった声援も徐々に白熱。1球ごとに「ナイス」「うまい!」と拍手が起こり、第1セットをタイブレークで取ると、みんながガッツポーズ。会社員の森秀太さん(26)は「ここぞの場面でサーブが決まった。この勢いでいってほしい」。

 第2セットは一進一退の攻防。大坂選手が勝利まであと一歩に迫ると、店内は「なおみ」コール。手を合わせて勝利を願う客もいたが、クビトバ選手が踏ん張る。動揺の色が見える大坂選手。客席も静まりかえったが、気持ちを切り替えるように「まだまだ」「ドンマイ」との励ましの声が飛び交った。

 そして午後8時10分すぎ、その瞬間が訪れた。みんながテレビ画面に釘付け。「やった! すごいぞなおみ!」。大歓声がわき起こった。友人と訪れた増村真理子さんは目を潤ませて言った。「奪われた第2セットでは21歳の表情だったのに、最後は無心になり、トップアスリートの顔だった。等身大の魅力を持ったまま、強くなっていってほしい」

 北海道根室市では、祖父の大坂鉄夫さん(74)が記者会見。「うれしくてコメントがない。いま興奮しています。安心できる勝ち方でなく、心配させる勝ち方で血圧が上がっています」と笑顔で語った。

 この日は午後6時半から、根室市役所で市長らと一緒にテレビ観戦する予定だったが、自宅で中継を見始めると息をのむ試合展開で「(市役所に)行きたいけど(テレビの前から)動けない」。市長らとの約束をすっぽかすことになってしまった。「えらいと思う。1人でコートの中で戦っている。めんこいのか、かわいそうなのか。涙しそうだったよ。つらいと思うね。なでてやりたいね」と孫を思いやった。(高野遼、神村正史)